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パスワードレス認証とは? 安全性やメリット・デメリットについても解説

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パスワードは古くから用いられてきたセキュリティシステムですが、近年は利便性・安全性の向上を目指し、パスワードレス化が徐々に進んでいます。本記事では、パスワードレス認証の安全性やメリット・デメリット等について解説します。

パスワードレス認証とは? 安全性やメリット・デメリットについても解説
 目次

パスワードレス認証とは

パスワードレス認証とは、その呼称からもわかるように、パスワード入力を必要としない認証方法のことです。認証には主に生体情報(指紋や声紋・虹彩・静脈パターン等)やPIN(Personal Identification Number)を用います。

パスワードだけに頼った従来の認証方法では、パスワードが第三者に漏洩し悪用されるリスクを回避できません。それに対し、FIDO2(生体認証を含む認証技術の最新規格)や生体認証デバイスを用いたパスワードレス認証では、複雑な操作を必要とせず高い安全性を確保できます。

ここではパスワードレス認証のタイプや注目される背景について、さらに詳しく解説していきます。

パスワードレス認証のタイプ

指紋や虹彩・静脈のパターンなど、個人に固有の生物学的特徴を用いる方式が生体認証です。情報漏洩や盗難・紛失のリスクが少ないため、パスワードレスと相性が良いと言えるでしょう。専用のリーダーに加えて、スマートフォンやタブレットなどさまざまな端末を生体認証に利用することが可能です。

また、FIDO2*を利用したパスワードレス認証も普及しています。FIDO2対応のデバイスを用いることで、パスワードを使わない認証が実現可能です。

*FIDO(Fast Identity Online)
FIDOとは、パスワードレス認証を推進する認証技術であり、国際的非営利団体 FIDO Alianceにより策定されています。また、FIDO2は生体認証を含む認証技術の1つであり、2018年よりリリースされています。

パスワードレス認証が注目されている背景

パスワードレス認証が広まりつつある背景には、パスワード認証の決定的な脆弱性があります。パスワードは生体情報とは異なり、本人だけでなく誰にでも利用できてしまうことが問題です。所持情報と比べて紛失や盗難に気付きにくいため、知らぬ間に第三者に悪用される危険性もあります。

強力なパスワードを設定することもできますが、複雑なパスワードを設定することで利便性は低下してしまいます。多くのユーザーは推測が容易にできるワードを使用したり、複数のWebサービスでパスワードを使い回したりしているのが現状です。

生体情報やワンタイムパスワードなどを利用したパスワードレス認証であれば、上記の問題を解消ないしは軽減できると期待されているのです。

FIDOについての詳細は、こちらの記事を参照ください。

FIDO認証とは?安全性は?利用するメリットや課題についても解説

パスワードレス認証の仕組み

パスワードレス認証では、「認証器」と呼ばれるデバイスを用いて本人認証します。専用のデバイスを認証器としてパソコンに接続する場合もありますが、現在お使いのスマートフォンやタブレットの生体認証機能を利用することも多いでしょう。

認証器を介して問題なく認証されると、その情報を相手方のサーバーに送り、アプリケーションやWebサービスのアカウントにログインが完了します。以上が、パスワードレス認証の大まかな流れです。

ユーザー本人が認証情報をサーバーに送信するのがパスワードを利用した認証方法です。それに対し、ユーザーが認証器を介してサーバーに情報を送るのがパスワードレス認証だと認識していただくと良いでしょう。

パスワードレス認証の安全性

生体認証を主に用いるパスワードレス認証の安全性は、パスワードのみを用いた認証方式と比較して非常に高いと言えます。

パスワードは知れ渡ってしまえば第三者にも利用可能ですが、認証器を用いたパスワードレス認証ではそうはいきません。認証器そのものに生体情報や暗号情報が保存される仕組みのため、そうした情報がネット上に漏れてしまうリスクもほぼないでしょう。

パスワードのみを用いた認証方式は、「ブルートフォースアタック (総当たり攻撃)」 といった古典的なハッキング手段で、比較的容易に突破されてしまいます。そのようなサイバーアタックに対する防御という面からも、パスワードレス認証の安全性は高い評価を受けています。

パスワードレス認証のメリット・デメリット

利便性と安全性を併せ持ち、メリットの多いパスワードレス認証ですが、デメリットも知っておく必要があります。

ここではパスワードレス認証を、メリット・デメリットの両側面から解説いたします。

パスワードレス認証のメリット

情報漏洩によるリスクを最小限にできることが、パスワードレス認証を用いる最大のメリットと言えるでしょう。

もし仮にデバイスを盗まれたとしても、指紋などの生体情報がないので使用される恐れはほぼありません。パスワードのみによる認証方法では、パスワードを知られてしまえばそれだけで悪用可能です。職場でのパスワードの使い回しなどもできないため、安全性の高さは保証されています。

パスワード入力の手間や、パスワードを忘れる不安もないため、業務効率化にも大きく貢献するはずです。利便性向上によるストレス軽減は、仕事のパフォーマンスを底上げする効果をもたらします。

パスワードレス認証のデメリット

一見するとメリットばかりにも思えるパスワードレス認証ですが、解決すべき課題も残されています。

スマートフォンやタブレットを用いる簡便さは、裏を返せばそれらのデバイスがなければログインできないというデメリットにも繋がります。

認証器となるデバイスを携帯するのを忘れたり紛失したりしないよう、ユーザー側で管理を徹底しなければなりません。

また、何らかの原因により、認証器が正常に機能しない場合があることもデメリットのひとつとなり得ます。指紋認証や顔認証の機能が正しく使えるように、濡れた手で使用しないことや、カメラレンズを綺麗にしておくなどのケアを心がけましょう。

パスワードレス認証を導入しよう

いくらかのデメリットはありますが、それを補って余りあるだけの利点がパスワードレス認証にはあります。

しかし未だに、パスワードのみの認証という古い方式に頼っている場面は少なくありません。パスワードベースのログイン方式は、実装にかかるコストが低く導入しやすいとされてきたためです。

生体情報の認証精度は年々上がっており、実装に要するコスト低下も進んでいます。今後はパスワードレス認証を採用する機会がさらに増していくでしょう。

不正アクセスや情報漏洩の危険性も考慮すると、パスワードレス認証は今後さらに普及し、認証方法の主流を占めるようになるでしょう。

シングルサインオンとの組み合わせも便利

シングルサインオン(SSO)とは、あるサービスの利用開始時に一旦ログインすれば、連携する複数のサービスで認証が不要になる仕組みのことです。SSOとの組み合わせにより、パスワードレス認証の利便性・安全性はさらに向上します。

ログイン時に毎回パスワードを入力するのは、セキュリティ面からも得策とは言えません。パスワードの入力が面倒になり、簡単なパスワードに変更したり複数アカウントで使い回しをしたりするなど、人為的な欠陥が生じやすくなってしまうからです。

まとめ

パスワードレス認証の概要と、その安全性やメリット・デメリットを解説いたしました。パスワードを用いない認証方法は、セキュリティ向上に不可欠なものとなりつつあります。

増加傾向にあるサイバーアタックに対する手段としても、生体認証やFIDOデバイスを用いたパスワードレス認証が非常に有効です。

解決しなければならない課題も残されていますが、今後パスワードレス認証が主流となるのは確実でしょう。業務効率化と安全性確保のために、パスワードレス認証についてのさらなる理解を深めてみてはいかがでしょうか。

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