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【セミナーレポート】 『こう使いこなそう! 生成AIを活用した3つのユーザーアシスト機能』 セミナー

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こんにちは。
Gluegent Flow セミナー担当・セールスイネーブルメントの楠田です。本記事は、11月15日に開催した弊社主催セミナー 『こう使いこなそう! 生成AIを活用した3つのユーザーアシスト機能』 のレポートをお届けします。
2024年10月16日、3つの新機能「ユーザーアシスト機能」を2025年1月に実装する旨の発表をした Gluegent Flow 。新たな3つの機能について、それぞれの機能を詳しく紹介しました。

【セミナーレポート】 『こう使いこなそう! 生成AIを活用した3つのユーザーアシスト機能』 セミナー

なぜ今、生成AI×ワークフローシステムなのか?

コロナ禍以降も、各企業ではデジタル化を大きく進めてきた中で、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションについては、特に中小企業では道半ばであることは、昨今のDX関連の調査データからも明らかになってきています。

ワークフローシステムという領域で Gluegent Flow は、お客様のデジタル化、そこからのデジタライゼーションを深く支援しています。ワークフローシステムで効率化を実現されたお客様から感謝の声をいただく一方で、「もっと、こういうところを改善してほしい」といったご要望も、とても多くいただいています。

その解決策として、Gluegent Flow は様々なシステムと連携する機能の強化を図ってきましたが、よりお客様のデジタル化を進めていくには、あらゆるレベルの人に共通する課題や働く人々にもっと寄り添えるような支援機能が必要ではないか、というふうに考えるようになりました。

では、どのような機能を実現すればいいか?お客様からの改善要望などをヒントにしながら検討を重ねた結果、生成AIによる知識と効率性によって、ワークフローに関わる意思決定プロセスをサポートし、より賢明かつ迅速に申請されたデータの処理をこなせるようなアシスト機能を実装することで、これらの課題をクリアしたいと考え開発を進めて参りました。

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「タスク要約」機能とは、タスクの優先度を示す機能

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申請書などを承認・決裁する方々向けの「タスク要約」機能。タスクとは、申請書などのデータのことを指しますが、これまでは承認を求められたタスクの一覧画面から、ひとつひとつの申請データを開き、内容を確認して処理の優先度を判断していました。

申請時に入力された項目が多いものや、複雑な申請内容のものなど、各申請データの優先度の見極めに、多大な時間を要してしまう課題がありました。

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これらの課題に対して「タスク要約」機能は、図の赤丸のところにあるアイコンをクリックすると、各申請データの内容を誰もが理解しやすい自然な文章で要約し、表示してくれる機能となります。

これによって、今まで各申請データをひとつひとつ確認をしなければ、処理すべき優先度の高いデータがどれか判断できなかったものが、とても簡単に判断できるようになります。このタスク一覧画面で、それぞれの申請内容を比較しながら、緊急度の高い申請データを見つけ、迅速に処理することが可能になります。

「スマートモデル検索」機能とは、❝ 話し言葉 “ で検索できる機能

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何らかの申請書を起案する方々向けの「スマートモデル検索」機能。モデルとは、各申請書や帳票のフォーマット(ひな形)を指しますが、新卒社員の方や中途社員の方で、まだ入社したばかりの時、業務に必要な申請書や帳票がどれかを理解できていない間は、膨大にある帳票フォーマットの中から該当する帳票を探すことが、大変な作業となります。

先輩にひとつひとつ聞いて回るか、文書規程の中から探すか、また数多くの帳票フォーマットの中から部分一致のキーワード検索で探すか・・・など、該当するモデルを必死に探す課題がありました。

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これらの課題に対して「スマートモデル検索」機能は、スマート検索画面の入力欄に、探したいモデルの条件や、置かれている状況(図の例では、「娘が産まれました」)などを入力することで、該当する帳票フォーマット名となぜこの帳票を推薦したのか、レコメンドも一緒に表示してくれる機能となります。

これによって、部分一致のキーワード検索では拾いきれなかった、業務に関連する帳票フォーマットが表示されるようになると同時に、レコメンドした理由があることによって「こういう理由があるから申請しなければいけないんだな」など、申請や起案の判断基準としても使えるようになります。話し言葉で検索することで、新卒社員の方や中途社員の方、また初めて何らかの申請を出す方など、業務に必要な申請フォーマットを迅速に探し出すことが可能になります。

「スクリプト自動生成」機能は、誰でも柔軟な条件分岐が可能になる機能

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ワークフローシステムを管理する方向けの「スクリプト自動生成」機能。スクリプトとは簡易プログラムを指し、Gluegent Flowでは帳票作成時に利用することがありますが、これまではエンジニアの方やITリテラシーが高い方によるスクリプトの実装や、ある程度の勉強をしてスクリプトを書くことで、入力すべき項目の表示・非表示など、柔軟な条件分岐を設定した帳票フォーマットを作成していました。

ユーザーの中には、柔軟な帳票フォーマットを作成したくても、スクリプトの理解が乏しく実装ができない場合は、サポートに問い合わせし、実装したい条件分岐を説明して指示をもらうなど、時間と手間ひまがかかり、迅速にカスタマイズするのが難しい課題がありました。

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これらの課題に対して「スクリプト自動生成」機能は、図の黄色の枠の中に実現したい入力項目の表示・非表示の条件分岐を文章で指示内容を入れることで、実現したい条件分岐のスクリプトを自動生成してくれる機能となります。

これによって、JavaScriptなどの理解が無く条件による分岐がうまくできなかった方でも、条件による項目の表示・非表示を、申請者が文章で入力した内容・条件で自動的にスクリプトを生成することが素早く可能になります。

生成AIのプラットフォームと考え方

以上、ユーザーをアシストする3つの新たな機能ですが、特筆すべきなのは、このたびの生成AIは学習をしないというところにあります。生成AIというと、ファインチューニング(公開されている学習済のモデルに、独自のデータを追加で学習させ、新たな知識を蓄えたモデルを作り出す技術)で学習を繰り返すというのが基本的な考えとしてありますが、我々が実装する今回の3つの機能に関しては学習をしないというのが大きな特長となっています。

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そもそもワークフローシステムは、一般的に機密性の高い内容を処理することが多く、より利便性を高めるために学習を繰り返していくことも十分に考えられますが、リスク要因として他社の情報を間違ってレコメンドしてしまうようなことも考えられます。

また、機密性の高い内容を学習しても、ワークフローシステムに関わる人の判断と、同等の判断や処理が可能かどうかの検証もまだできていないことから、我々の現在のアプローチとしては、学習は行わず基本的かつ高度な生成AIの機能だけでアシストできる生成AIのプラットフォーム・モデルを採用するという考えで、今回 Google Cloud 社の Vertex AI の Gemini を採用しました。 

Vertex AI の Gemini は、他の生成AIと比べて日本語の返答速度が速いというのがメリットのひとつであり、長文など複雑なタスク(申請書などのデータ)の処理が行いやすいという点もあることから、Vertex AI を採用しております。

皆さまには、より快適かつ安心できる環境でご利用いただくため、上記のような考えのもとで、3つの新機能を実装する次第です。

さて、Gluegent Flow は2025年、この3つのユーザーアシスト機能の他にも、新たな機能を追加し皆さまのデジタル化をより深く支援していきます。そして、働く人々のさらなる業務効率化と満足度増大に向けて、さらに頑張って参りますので、引き続き乞うご期待ください。