導入事例

株式会社フェリーさんふらわあ

株式会社フェリーさんふらわあ 様

フリーアドレスを機にワークフロー導入を検討。従来の稟議書データを添付し回送することで、シンプルに電子化を実現!従業員の稟議・申請に関するナレッジ共有も進み、導入以前より1/5の期間短縮に成功

株式会社フェリーさんふらわあは、外装の太陽マークが象徴的な「さんふらわあ」という長距離フェリーを運航する海運会社です。神戸〜大分/大阪〜別府/大阪〜志布志(鹿児島)の3航路を運航しています。1972年に初代「さんふらわあ」が運航を開始し、50周年の節目を迎えた2023年1月には、日本初のLNG燃料フェリーでさまざまな設備を備えた新造船が、大阪〜別府航路で就航を予定。株式会社商船三井を親会社とするグループ会社全体で、環境にも配慮した取り組みを進めています。今回、オフィスの移転にともなうフリーアドレス制の導入をきっかけに、紙ベースの稟議申請をシステム化。関西と九州という離れた拠点のやりとりで長期化しがちだった決裁処理を大幅に期間短縮し、申請業務の効率化に成功しました。

オフィス移転とフリーアドレス導入をきっかけに、ワークフロー導入を推進

経営企画部 北川 龍志 様:
弊社は社名のとおりフェリーを運航している会社です。船が出航する関西と九州の各港に拠点があり、移転前の本部は神戸の港にありました。今回のオフィス移転で本部機能と、関西エリアに点在していたグループ会社が大阪に集約されました。

そもそもワークフロー導入前の申請業務は、紙の書類で、関西側と九州側の各拠点間を自社の船に乗せてやりとりしていました。例えば大分だったら、まず本部の承認を得るために大分支店からの決裁書を船に乗せると、翌朝関西側の港に届きます。港から届いた書類を本部で回すのですが、紙の決裁書をバインダーに挟んでハンコが欲しい人の机に持っていき、居なければその人の机に置いて回っていく、というような形だったので、本部内で決裁がおりるまでに2、3日くらいかかっていました。決裁後、それをまた船に乗せて返送するのでさらに一晩かかる。つまり決裁処理に1週間ぐらい、経路が複数部署をまたがるような場合は2週間近くかかることもあって、もう少し早くならないかという課題意識が元々ありました。

さらに、今回のオフィス移転で完全にフリーアドレスになることが決まっていたので、デスクに書類を置いておけないという問題が発生しました。同時にコロナ禍でテレワーク勤務の社員もかなり増えていたので、この移転に合わせて決裁処理もシステム化しないと業務が滞るんじゃないかという課題もあがり、導入検討を始めました。

選定のポイントは3つ。1つめはユーザーファースト、2つめは既存の紙の申請書の活用とシンプルでわかりやすいUI、3つめはコスト。そこで Gluegent Flow を採用。

北川 様: 導入の検討時は、まず最初に比較サイトで5社の資料を請求しました。その中から、実際に試用環境を提供してもらって試したのが3社です。

当初は導入の要件として、既存の紙ベースの決裁処理に近い形で運用するということがあったので、紙の決裁書をできるだけ再現して電子印を押して回す、という機能に特化したシステムも候補にありました。ただし、そのシステムはエクセルや添付資料を入れる必要があり、むしろそっちの方がわかりにくいんじゃないか?ということに気づいたんです(笑)。結果、紙の決裁書の再現には、そんなに力を入れなくてもいいよね、という話になりました。

そこで、まず「シンプルで使いやすい」こと、そして「パッと見でわかりやすい」ものを、選定で重視するポイントとしました。弊社の社員は年齢層が高く、社員の層としては40代・50代も多いんですね。そういった年齢層の社員でもストレスなく使えるような、わかりやすいシンプルなもの、という観点で選びました。次に費用感。アカウント単価だけでなく初期費用がかかるかどうか、というところも注意しました。

試用環境で試した3社のうち、既存の紙の決裁書のイメージをそのまま再現することに特化していた1サービスはコストが見合わず、もう1つは承認のルートの設定に柔軟性がなく、そこまで使いやすいものではありませんでした。

Gluegent Flowは、ワークフローの操作自体がとてもシンプルでわかりやすかったですね。経路設定が柔軟で制限がないことも、合議先が多いために経路が長く複雑になりがちな弊社の規定に添える、大きなポイントでした。また、運用方法としても、ファイル添付の機能を活用すればシンプルに既存の決裁書を添付して回せると分かり、導入の決め手になりました。

Gluegent Flowと紙の申請書のハイブリッド運用により、段階的に移行しスムーズに運用開始

北川 様: 導入作業は、基本的にはほとんど私1人でやったので結構大変でしたね。最初はどんな機能があるのかな、この機能をどう使ったらわかりやすいのかな、と探り探りでした。わからない時はサポート(クラウドコンシェルジュ)に質問しながら、実際にテストで作ってそれを自分で回してみて、どう表示が切り替わるのか、という確認作業を、何十回も繰り返しました。

移行の進め方としては、従来の紙の申請書と、Gluegent Flowによる申請の並行運用期間を設けました。 Gluegent Flow では稟議書を1件だけ作成し、既存の紙の申請書も並行して引き続き使用可としました。というのも、今回のワークフロー導入は、関西側のオフィス移転に伴うフリーアドレスがきっかけとなっており、関西に勤務している社員に関しては急いでワークフローに慣れる必要がありました。が、九州側では今まで通りで支障ないよ、という温度差があり、並行運用の移行期間を2ヶ月ぐらい設けたのです。まずは関西側で進めていくけど、いずれは九州側も含めて全社展開するので、徐々に慣れていきましょう、というような意味合いです。

社内への展開は、想像以上にスムーズに進みました。実際にGluegent Flowでの運用を始めてみたら、意外とすぐに紙の決裁書が使われなくなりました。社内説明会も全体で2回ほどリモート開催しましたが、そこでも特に細かい質問もなく、とりあえずやってみようかと進めてみたら、そのままなんとなく移行できていました(笑)。利用が進むうちに、自動採番できたらいいなとか、件名を自動変更したいなとか、決裁書ごとにルート変更したいな、など要望がどんどんあがり、管理側としてもちょうどその2ヶ月の移行期間を、そういった要望に対応したり準備期間として取れたのは良かったかなと思っています。

情報の見える化によりナレッジが蓄積され、決裁に関するリテラシーの向上につながる

北川 様: Gluegent Flowを導入した効果は、大きく2つあります。まず1つめは、決裁までの期間が大幅に短縮できたことです。決裁がおりるまでの日数は、導入以前は1週間程度かかっていましたが、導入後は遅くとも2、3日、早いものだと朝申請したものがその日のうちに決裁できたというパターンもあります。

2つめは、差し戻しの際にコメントを入力することによって、決裁のルール・注意点が明確化されたことです。例えば、弊社では決裁先によって申請する決裁書をわけているのですが、正しい決裁書を選択していなかった(決裁先が間違っている)場合などにコメントを書いて差し戻すことで、承認者も申請者も、みんながそれを認識してくれるんですね。今までなら言われた本人だけだったのが、差し戻される理由が全員に見えるようになったことで、決裁のルールや注意点がナレッジとして共有される、という動きにつながっています。また、決裁書は部門共有されているため、過去の決裁書がどういう経緯で完成したのかを、今後の申請や承認前に確認できることが結構な省力化に繋がっており、それによって良い効果が生まれているんじゃないかなと思っています。

情報の見える化によって、ナレッジが蓄積されて同じミスを繰り返さないようになり、今は目に見えなくてもそうした小さな積み重ねが、いずれ今後の業務改善の効果として効いてくることを期待しています。

今後の目標は、紙の申請書からの完全脱却と、申請・決裁処理からさらに展開させた業務プロセスツールとしての活用

北川 様: 現状は私一人で管理・運用していまして、導入時には2週間ほどかけて、68件のモデル(Gluegent Flowにおける申請書)を作成しました。現在は申請・決裁のみに使用していますが、今後は決裁書以外にももっと展開したいと思っています。今進めているのは、各部署向けの顧客の新規取引契約申請です。総務関係では、社内の異動届などもこのシステムを使ってできるようにしていきたいと考えています。

それから、現状は既存の紙の決裁書を添付して回送するという運用になっている関係上、決裁後に印刷してファイリング、という文化自体は残ってしまっています。部署によっては電子化を進めているところもありますが、この Gluegent Flow そのものを決裁書にしたいというのを考えていて、準備はしています。ただ全社的に展開するとなると、今までの紙文化が一切なくなることへのアレルギー対応も必要なので、慎重に進めていきたいですね。

あとは、弊社は実は異動の頻度が高く、平均3年に1回は異動があるので、誰でも対応できるように、管理者マニュアルと管理体制の整備というところも進めていきたいと考えています。

――株式会社フェリーさんふらわあは、オフィス移転とそれにともなうフリーアドレス導入をきっかけに、紙の申請書での稟議申請業務のシステム化に取り組まれました。ユーザーファーストを大前提に、シンプルさを追求して本当に必要な機能とコストパフォーマンスをポイントに選定した結果、Gluegent Flowを導入。決裁処理において大幅な期間短縮を実現し、情報の見える化による副次的な効果もあげられました。稟議申請業務から展開して、Gluegent Flow を活用したさらなる業務プロセス改善も進められています。

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