導入事例

新中央航空株式会社

新中央航空株式会社 様

もはや、従来の承認フローには戻れない。決裁が数時間で下りることも

新中央航空株式会社は、東京都・調布飛行場から、伊豆諸島4島(大島・新島・神津島・三宅島)への定期航空便を運航。1日最大13往復のフライトで、年間約10万人の旅客を輸送するなど、地域の重要な交通インフラとしての役割を担っています。

また、本社のある茨城県・竜ヶ崎飛行場では、自社保有のセスナ機3機を活用し、遊覧飛行や航空写真撮影、空中からの広告放送を実施しているほか、自家用・事業用ライセンスの取得を目指す方々を対象にした訓練事業も行っており、地域に根ざした航空事業を展開しています。そのほか、自家用機の駐機格納も行っているほか、滑走路や格納庫を利用したテレビドラマ・ミュージックビデオの撮影も盛んに行われています。。約130名のスタッフによる組織ながら、航空業界ならではの専門性を活かし、多様なニーズに応える航空サービスを提供し続けています。

Microsoft 365 導入をきっかけに、ペーパーレス化と申請・稟議業務の改善が加速

総務部 総務課 課長代理 滝本 様:以前から「ペーパーレス化」の意識はあったものの、稟議申請は依然として紙書類を郵送する運用が続き、対応に時間を要していました。 迅速な対応が求められる人事案件では郵送では間に合わず、メールで稟議PDFを添付し送付するといった暫定的な対応を行うことも少なくありませんでした。

総務部 部長代理 兼 総務課 課長 鴻巣 様:竜ヶ崎本社と調布飛行場を行き来する航空機の空輸があり、従来は稟議書など社内文書の移送手段として活用してきました。しかし、この空輸は月に1〜2回の不定期運航で(コスト削減の意識もあり)「次のフライトを待ってまとめて送付する」といった対応が常態化し、業務の遅れを招いていました。結果、即時性に欠け、迅速な意思決定を妨げる要因となっていました。

滝本 様:一方、書類を受理する側にとっても、一度に大量の稟議書が届くことで業務が集中し、負担が大きくなることもありました。こうした状況を受け、 稟議フローの見直しと業務全体の効率化が課題と捉え、アナログ運用による不透明さや非効率さが、業務全体に悪影響を及ぼしていると感じ、書類の電子化とワークフロー導入が不可欠だと考えました。

そうした背景の中、Microsoft 365 導入を契機に、社内でもワークフローシステムの必要性について具体的な議論が進むようになりました。「ペーパーレス化の推進」と「稟議・申請業務の抜本的な改善」を目的に、私たちはワークフロー導入に向け、本格検討に着手しました。

Microsoft365 対応と、直感的な操作性や手厚いサポートが導入の決め手に

ワークフロー検討当初は、Microsoft 365のPower Automateを用い、ワークフローの自社開発を試みた。しかし、構築の難易度やメンテナンス負荷を鑑み、Microsoft 365に対応したサードパーティー製品での選定へ切り替えています。

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総務部 総務課 係長 細田 様:当初は Microsoft 365 のローコード環境を活用し、Power Automate による自社開発を試みました。しかし、開発時のコネクタ仕様の理解や日本語訳されたメニューの分かりにくさがハードルとなりました。また複数のアプリへ連携させるため、不具合が発生した場合、原因を特定するまでに相当な時間を要すると想定。社内リソースのみで、安定運用するには限界があると判断しました。

鴻巣 様:ワークフロー選定にあたっては、Microsoft 365 に対応した製品・サービスを中心に比較検討を進めました。複数製品の機能や特徴を整理・共有し、最終的にGluegent Flowに決定しました。決め手は、Microsoft 365 との親和性も高く、既存の IT 環境を活かしたスムーズな展開が可能と見込んだからです。また、直感的な操作性と、現場にも受け入れやすい画面設計も大きな利点です。従来の稟議書の見た目に近く、レイアウトや項目構成を大きく変更せずに導入できる点が移行ハードルを大きく下げると考え、評価しておりました。

総務部 総務課 係長 細田 様: 導入検討に際しては、カスタマーサクセス担当の方と Microsoft Teams 上での打ち合わせを通じ、実際の操作画面を確認。具体的な運用イメージがわくと共に、導入後も手厚くサポート下さる高い安心感を得ました。

鴻巣 様:そうそう、もう一つ、選定した理由の一つに、初回のWebでの製品説明時の対応が、非常に丁寧かつ分かりやすく、好印象を持てたことを挙げます。導入検討の段階から運用設計に至るまで、複数回にわたりWebでの個別説明をいただき、いずれの回も非常に丁寧にご対応いただいた点も印象的でした。手厚い支援を無償で継続的に受けたことは、選定において大きな安心材料となりました。結果として、Gluegent Flow を導入したことが、当社にとって最良の選択だったと感じております。

「紙と同じ見た目」からの脱却──試行錯誤が導いた“本当に使いやすい”ワークフローのかたち

滝本 様:導入直後は、紙の稟議書のレイアウトをできる限り再現することで、社内の混乱を防げると考えていました。ITに不慣れな社員も多いため、「見慣れたレイアウトなら迷わず使える」と判断し、押印欄やボタン配置、余白など細部まで意識して作成していました。

鴻巣 様:ところが、幹部層に進捗報告した際「見た目にそこまでこだわる必要はないのでは」「この機会に書式そのものを見直すべきでは」といった意外な意見が寄せられました。この指摘を受け、紙の様式を再現することが最適解ではないと再認識。作り込む工数や、社員にとっての本当の使いやすさを考慮し、デフォルトフォームを活用しつつ、必要に応じて調整する方針へと転換しました。

滝本 様:印影欄についても再検討が必要でした。各申請モデルを開かないと印影が確認できず、最大で10~13個の印影欄が必要になるケースもありました。さらに、差戻し時に印影が残ってしまうなど、運用上の課題がいくつも見つかりました。Gluegent Flowでは、すべての申請承認履歴がタイムスタンプ付きでページ下部に記録されており、差戻しも含めた進捗状況が時系列で可視化され、従来の印影運用よりも視認性・正確性が格段に優れていると再認識。印影欄にこだわらないという判断に至りました。

こうした経験を経て、最終的には印影欄にこだわらず、デフォルトフォームを活用した結果、画面はすっきりし、スマートフォンからの閲覧も容易になりました。さらにコメント機能の活用によって、紙では難しかった情報共有が可能となるなど、デジタルならではのメリットも実感しています。

Gluegent Flow導入をきっかけに、多くの気づきが得られました。決裁フロー全体を見直す中で、いわゆる「業務の棚卸し」を行えたと感じています。テスト運用時には、(紙運用時には見過ごされていた)重複承認不要な決裁経路の存在が明らかになりました。また、他部署の承認ルールについても理解が深まり、全社的な業務理解を進める良い機会にもなりました。このように導入の大きな成果は、承認者と承認経路が可視化されたことです。これにより、どの業務でどのようなプロセスが必要なのかを社内で共有し、業務効率化に向けた具体的な検討ができるようになりました。


具体的な活用例①高額備品調達

細田 様:整備部では、航空機の高額部品を調達しており、20万円を超える品目も日常的に多数発生しています。固定資産としての管理が求められることも多いため、整備部内の独自ルールとして各課長の承認を取る合議制を導入していました。合議制の有無で条件分岐をできる申請フォームを準備し、整備部特有の合議制にも柔軟に対応できる構成にしたのです。

滝本 様:しかしテスト運用すると「そもそも合議は本当に必要か?」という声が整備部から上がりました。まさにGluegent Flow の導入が業務プロセスを見直す契機になりました。結果として合議の有無で分岐することなく、よりシンプルな決裁フローへと移行できました。また「代理起案はどう扱えばよいか?」といった問い合わせも印象的でした。紙の運用では作成者と起案者が異なっていても問題視されませんでした。テスト運用中に、従来見過ごされていた実務上の課題を把握できたことは、本格導入に向けた大きな成果だったと感じています。

紙での稟議運用では、申請・決裁の実業務を現場任せにしても課題や問題として認識していない事象も多いでしょう。しかしGluegent Flow では承認者や決裁者も承認プロセスも可視化できるため、稟議ルートや決裁権限の見直しを進めることができ、組織全体の生産性向上へと繋げられます。

具体的な活用例②少額支出承認願

総務部 総務課 稲見 様:Gluegent Flow導入を機に、申請項目を見直しました。従来の紙では無かった「発注担当部署」「支払担当部署」を加え、「支払希望時期(通常/至急)」「支払方法」を選択し申請できるようにしました。従来は承認後に不足する情報を電話や口頭で申請者に確認していたのですが、Glugent Flowでは、申請時に必要な情報を記入させることで、承認後、誰が何を担当し、いつどのような方法で支払いが必要なのかが一覧で把握でき、確認作業の工数を大幅に削減できました。さらに、申請内容に応じて、承認完了後に総務部へ自動でメール通知させる設定を行いました。「総務が発注する必要がある場合」や「至急支払いが必要な場合」など、対応が必要なケースに限定して通知される仕組みです。総務は通知により、決裁状況を把握し、発注・支払いなど迅速に対応できるようになりました。同時に、申請内容をExcelの管理台帳に自動記録する自動処理機能を用いたため、台帳の検索や照会も容易となり、業務負荷を大きく軽減できました。

申請・承認・通知の一連の流れがシステム上で可視化され、決裁状況をリアルタイムで把握できるようになったことで、業務効率が大きく向上したのでしょう。

もはや、かつての稟議フローに戻れない。導入メリットと今後の展望

鴻巣 様:従来は決裁に1〜2週間かかることもありました。しかし、現在では早ければ半日、タイミングが合えば数時間以内に決裁が下りるケースもあります。スマートフォンからの承認も可能になり、もはや、かつての稟議フローには戻れないと感じるほどです。

細田 様:すべての申請承認履歴がシステム上に記録される点も大きな変化です。現在どのステップで申請が止まっているかをリアルタイムで確認できるため、滞留への対応が迅速になりました。また、コメント機能によって、(従来の紙運用では難しかった)補足情報の共有が可能になり、関係者間の意思疎通が格段にスムーズになりました。

鴻巣 様:社内からは「決裁が早くなった」「使いやすい」といった声が多く寄せられています。整備部門では、部品調達などの急ぎ案件にも迅速に対応できるようになり、現場の負担が大きく軽減されました。紙と画面の見た目が異なるにもかかわらず「使いづらい」という声はなく、初日からスムーズに定着。問い合わせもほとんどなく、自然に業務に馴染んでおり、企業全体の決裁スピードが上がったと感じます。

滝本 様:今後は、人事・労務関連の申請も順次電子化を進めます。現在は入退社や住所変更、婚姻・出産などの届出業務を紙で運用しており、申請書の印刷・記入・押印・郵送といった煩雑なフローが残っています。今後はこれらを Gluegent Flow 上で一元管理し、申請から承認までをオンラインで完結できる体制を整えていきたいと考えています。また、「管理番号」の発番についても、現在はExcelへの手入力が中心ですが、将来的には Gluegent Flow から自動出力する仕組みへの移行を検討中です。

鴻巣 様:最終的には、すべての申請・承認業務を電子化し、紙の運用を完全になくすことを目指しています。今後も段階的に対象業務を拡大しながら、全社的なデジタル化を着実に進めていく方針です。

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ーーGluegent Flow の導入をきっかけに、稟議書の電子化だけでなく、それぞれの業務フローを見直す良い機会にもなっていたのが印象的でした。

「紙をなくす」だけでなく、「より自社に合った運用とは何か」を丁寧に考え抜かれていたプロセスから、日々の業務に真摯に向き合う姿勢が伝わってきました。今後も新中央航空株式会社さまは、Gluegent Flow活用をきっかけに業務フローを見直し、デジタル化を進められるでしょう。

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