
スマホアプリで広大な営業エリアのどこからでもスムーズに申請が完了。Gluegent Flow の導入で、ペーパーレス化とワークフローの見える化に大きく貢献。
北海道東リ株式会社は、床材や壁紙、住宅建材などの販売を手がけるインテリア商材の総合商社です。同じくインテリア商材のメーカーである東リ株式会社と資本関係にあり、札幌にある本社を含め北海道内に5つの営業所を展開されています。
広範囲な営業エリアを持つため、外勤営業が提出する書類が滞留してしまう課題のほか、紙書類の管理負担をいかに軽減させていくかも課題になっていました。複数のワークフローシステムを検討する中、分かりやすいインターフェースを備えたモバイルアプリとコストパフォーマンスの観点から採用したのは、Gluegent Flow でした。
紙の山を数年かけて、ペーパーレス化へ。
管理部 情報管理グループ 境谷 様:私は中途で北海道東リに入社しましたが、入社してしばらく経った頃、社内で展開している書類で2つの驚きがありました。一つ目は、各書類がペーパーレス化されておらず、紙の書類が山積みとなっていたことです。紙の申請書などを万が一紛失してしまった場合、お客様との信頼関係にも関わることなので、これは大きな課題だと感じました。二つ目の驚きは、北海道という広い商圏を持っているため、様々な部署を兼任している部長が出張に出てしまうと、紙で回付している申請書が全て滞留してしまうことでした。そういった課題を社内で協議し、数年を掛けて紙の書類を電子化することとなりました。
スマホアプリで申請、承認ができること。広い北海道ならではの効率化とは。

ワークフローシステムの選定で最も大きなポイントは、スマートフォンで申請や承認ができることがポイントでした。北海道は面積が広いので、お客様への訪問の際、場所によっては車で片道6時間ぐらいかかります。
事務所に戻ってきてから申請書を書くとなると、かなりのタイムロスとなります。働き方改革の点でも、場所を問わず申請や承認作業ができることが一番のポイントと考えていました。その他の選定ポイントとしてはランニングコストです。
複数のシステムを比較検討しましたが、コスト面はピンキリという印象でしたので、出来る限り費用は抑えていく方向で検討しました。
ワークフローシステムを決めていくまでの流れは、紙の文化からペーパーレス化することの意義や申請から承認までスムーズにできること、そして入力ミスによる手戻りが簡素化できることなど、導入に向けた社内への説明も行いました。
まずは今後運用を担う管理部内で説明を行い、出来る限り入力項目を減らした車両日報を展開しました。まだ車両日報のみペーパーレス化できたところですが、Gluegent Flowの導入効果としては、ビジネスチャットのChatworkに承認通知が連携されることで書類の滞留が減り、車両日報だけは承認までの流れが格段に早まりました。その他の効果としては、車両日報の提出状況が可視化、効率化できたことです。これまで紙で運用していた時は、北海道内の各営業所が車両日報を月に1回、札幌の本社へまとめて郵送をしていました。当時、頻繁に発生していたこととしては、ある営業担当者1名の提出が遅れると、営業所全体の日報の「提出が滞ってしまうということがありましたが、Gluegent Flowでは各自で提出する形式のため、営業所全体で提出遅れとなるケースは無くなりました。」
Gluegent Flow による車両日報で提出状況が可視化。提出期限の意識づけにも大きく貢献。
現在、運用しているのは車両日報です。日報という名の帳票ですが、およそ30名の営業担当者が月に1回提出するものです。走行距離の記入やアルコールチェックなど、義務化されている帳票を展開しています。
当初はGluegent Flow 上で走行距離や確認者名を入力する形式にしましたが、部品が多くなってしまい、第1弾はうまく進めることができませんでした。また、従業員の浸透という部分でもいきなりの完全電子化が難しく、まずは従来の紙ベースの車両日報をPDFにして回覧する形式にしました。
これにより従来の形式を電子で回す形式となったため、従業員の入力項目を一切変えずに電子化を行えました。今後は部品の数を制限しつつ、PDFにしなくてもよくなる運用を考えていく予定です。
誰でも分かるマニュアルを作成することで、全社のITリテラシー向上を目指す。
Gluegent Flow の運用に限らず、システムの運用で気を付けている点があります。それは設計書や仕様書など、マニュアルをきちんと適切に残すことを心がけています。
その一番の理由は、属人化を回避することですが、難しい専門用語をなるべく避けつつ、分かりやすい言葉に置き換えた、誰が読んでも分かりやすいマニュアルを作成しておくことに注力しています。
理由としては、将来的に私がモデルの作成をしなくても、他部署の社員が作成できるようになれば、もっとシステムの使用頻度が高くなると思っているからです。
「簡単に帳票を作成することができるんですね」と感じてもらえるよう、マニュアルで見える化をしておくことで、他の社員も「自分で作ってみようかな」というモチベーションに繋げていくことが大事だと考えています。
結果として、社内のITリテラシーを高めることにも繋がっていくと考えていますし、例え作成したモデルがうまく展開できなかったとしても、「こういうやり方だと、うまく浸透しないんだな」という失敗の履歴も残しておくことで、今後のモデル作成に繋がるいろんなノウハウを蓄積したいと思っています。ですので、難しい専門用語や横文字を並べたマニュアルにならないよう、マニュアル更新のバージョン管理も含めて細かく作成、更新を行っています。
作業依頼などをワークフロー化しながら、自由にモデル作成ができる環境を作るために。
新たに運用を開始する予定の帳票としては、新規のお客様の登録申請書です。その他、他部署から「基幹システムのデータを取って欲しい」というような作業依頼をワークフロー化していこうという動きもあります。どの部署がどの部署へ、どういう内容を作業依頼したのか、きちんと内容を残すことが重要だと考えています。
各現場の従業員の利用状況などを見ながら、将来的には各部署でもGluegent Flow でペーパーレス化した申請書を増やし、いろんなモデルに触れて理解を深めてもらいながら、部署内で自由にモデルを作成することができるようになればと考えています。その時こそ、先ほど述べた設計書や仕様書などのマニュアルが確実に活きてくると思っていますので、Gluegent Flow で出来ることをさらに深めながら、しっかりとマニュアルに落とし込んでいきたいと思っています。
ー 北海道東リ様は、Gluegent Flow を活用して紙で申請書などを回す企業文化から、着実に脱却をしていこうとされています。その原動力は、トライアンドエラーで作成した車両日報がもたらした効率化と、継続的な運用を可能にする、誰でも分かるマニュアルが推進エンジンとなっています。今後も Gluegent Flow を活用しながら、多くの社内書類をペーパーレス化し、見える化されていくことでしょう。