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CIAMの主な機能は?IAMとの違いや選び方のポイントも紹介

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顧客のID管理・アクセス権制御として注目されているのがCIAMです。CIAMを活用することによって、顧客の利便性を確保しながらセキュリティやコンプライアンス遵守を同時に実現できます。

今回の記事では、CIAMの主な機能やIAMとの違いを解説しています。また、選び方のポイントも紹介しているため、CIAM導入を検討している方は参考にしてみてください。

CIAMの主な機能は?IAMとの違いや選び方のポイントも紹介
 目次

CIAMとは

CIAM(Consumer Identity and Access Management)は、消費者向けIDとアクセス管理のシステムです。CIAMは、BtoC企業が顧客体験を向上させながら、セキュリティも確保するためにID管理やアクセス制限に活用されています。

CIAMの主な特徴として、消費者のデジタル情報を一元管理する機能があり、管理対象は個人プロファイル情報、Webサイト上での行動履歴、アクセス記録などです。また、ユーザーアカウントの作成から削除までの全プロセスを管理するライフサイクル機能や、安全な認証システムも備えています。

CIAMの導入により、企業は顧客データを適切に保護しながら、顧客に合わせたサービスの提供が可能です。同時に、消費者にとってもSSO(シングルサインオン)など利便性の高いサービスが実現します。

CIAMが注目されている理由

近年、企業は顧客との接点が多様化しており、Webサイトやソーシャルメディア、モバイルアプリなど、さまざまなチャネルを通じて顧客とつながることによる課題が増加しています。これに対応する手段としてCIAMが注目されています。

複数のサービスごとに異なるIDシステムが存在すると、企業側の管理コストが増大するだけでなく、顧客も複数のアカウント情報を管理する負担を強いられます。さらに、個人情報保護などの規制により、企業は顧客データを適切に保護・管理することが法的に求められていることもCIAMが注目されている要因です。

CIAMは課題を包括的に解決し、セキュリティを維持しながら顧客体験を向上させる統合的なアプローチとして注目を集めています。

IAMとの違い

IAM(Identity and Access Management)は、組織内におけるIDの管理や認証を担う技術です。IAMは大きく分けて2つのカテゴリーに分類されます。

IAMの種類

特徴

EIAM(Enterprise Identity and Access Management)

企業内の従業員や関係者のIDを一元管理するためのシステム

CIAM(Consumer Identity and Access Management

顧客向けのID管理システム

CIAMはIAMの種類の1つであり、EIAMとCIAMは同じID管理技術でも、対象とする利用者や目的によって使い分けられているのです。EIAMは、企業内部の管理を重視する一方、CIAMは顧客との関係構築やマーケティング活用などの外部向け機能が充実しています。

CIAMの主な機能

CIAMの主な機能として以下の機能を紹介します。

  • ID・アクセス権管理
  • シングルサインオン・フェデレーション
  • 多要素認証(MFA)
  • 他サービス・アプリとの連携
  • 顧客データの一元管理
  • データ分析

それぞれの機能の詳細をみていきましょう。

ID・アクセス権管理

CIAMは、顧客との全てのデジタル接点を管理するための一貫したID・アクセス権管理を提供します。特徴的なのは、顧客自身でアカウントの作成や情報更新などの管理を行えることです。

一方、企業はサービスごとに顧客IDの適切なアクセス制御を設定できます。顧客の利便性を維持しながらセキュリティとコンプライアンスも確保できるのがCIAMの強みです。

シングルサインオン・フェデレーション

SSOは、CIAMの重要な機能の1つです。顧客はさまざまなデジタルサービスを利用しますが、それぞれに個別のログイン情報を入力することは非効率的であり、ユーザー体験を損ないます。

SSOは、1度の認証で複数の連携サービスにシームレスにアクセス可能です。中でもフェデレーション方式はSSOを実現する技術の1つで、パスワードの代わりにチケットと呼ばれる暗号化された認証情報をユーザーとIDプロバイダの間でやり取りします。

フェデレーション方式により、各サービス間で実際のパスワードを共有する必要がなくなり、セキュリティが向上します。

多要素認証(MFA)

多要素認証は、CIAMにおけるセキュリティ強化の重要な要素です。従来の単純なID・パスワードによる認証だけでは、パスワード漏洩のリスクが高く、十分なセキュリティが確保できません。

MFA(Multi Factor Authentication)では、複数の異なる種類の要素を組み合わせることで認証の信頼性を高めます。パスワードに加え、スマートフォンやセキュリティキー、指紋や顔などの生体情報を組み合わせる手法です。

他サービス・アプリとの連携

CIAMは他サービス・アプリとの連携を実現するために、API(Application Programming Interface)を活用しています。APIを通じた連携により、CIAMは顧客の認証情報や属性データを異なるシステム間で安全に共有できます。

ECサイトとロイヤルティプログラム、カスタマーサポートシステムなど、企業内の複数のサービス間でユーザー情報の一元管理が可能です。連携によって、顧客は一度の認証で複数のサービスにアクセスでき、企業側もアクセス管理を効率的に行えます。

顧客データの一元管理

顧客データの一元管理も、CIAMの機能の1つです。顧客データの一元管理により、企業は散在する顧客情報を統合し、信頼できる単一のデータリソースとして活用できます。

一元管理のメリットは、データのサイロ化や重複を防止できる点です。マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポート部門がそれぞれ別々に顧客データを管理していると、情報の不一致や更新の遅れなどの問題が生じます。CIAMは散在する顧客データを一ヶ所に集約し、常に最新の状態を維持します。

データ分析

CIAMは顧客の認証情報だけでなく、顧客行動の多様なデータを収集・分析します。顧客がどのページにアクセスしたか、どの商品を購入したか、どのようなコンテンツに興味を示したかなど、顧客の行動パターンや嗜好に関する情報の集約が可能です。

データ分析の結果は、製品開発チームによる新製品の企画や、マーケティングチームによるターゲティング戦略の最適化など、さまざまなビジネス判断に活用できます。

導入時にチェックしたいポイント

CIAM導入時には次のポイントに気をつけなければなりません。

  • 必要な機能が備わっているか
  • サポート体制は整っているか

それぞれのチェックすべきポイントを解説します。

必要な機能が備わっているか

CIAM導入を検討する際、まず重要なのは実現したいことを明確にすることです。漠然と導入するのではなく、自社のビジネス目標や顧客体験の向上などの観点から必要性を整理しましょう。

次に、各CIAMソリューションが持つ機能を比較評価します。自社のニーズに合った機能セットを見極めることが重要です。さらに、クラウドサービスやパッケージ製品、自社開発など、それぞれの特性を理解した上で、コスト、拡張性、運用負荷などを総合的に判断します。

企業内向けと顧客向けの両方をカバーするソリューションとしては、Gluegent GateのIDaaS(Identity as a Service)活用が効果的です。IDaaSはシングルサインオン機能と多要素認証を組み合わせたセキュリティ強化が特徴で、統合ID管理により組織全体の一貫したアクセス制御を実現します。

サポート体制は整っているか

CIAM導入の際は、サポート体制の充実度も重要な検討ポイントです。CIAMはビジネスの中核をなすシステムであり、万が一の障害発生時には迅速に対応しなければなりません。導入前には、ベンダーのサポート体制を詳細に確認しておくべきです。

問題発生時の対応時間やサポート窓口の営業時間、対応言語、サポート方法、担当者の専門性などが重要な確認ポイントです。特に、ITシステム導入の経験が少ない企業にとっては、手厚いサポートがあるかどうかが導入成功には欠かせません。

まとめ

今回の記事ではCIAMの解説をしました。CIAMは消費者向けIDとアクセス管理のシステムです。CIAMはBtoC企業が顧客体験を向上させながら、セキュリティも確保するためにID管理やアクセス制限に活用されています。

CIAMはIAMの種類の1つであり、EIAMとCIAMは同じID管理技術でも、対象とする利用者や目的によって使い分けられています。EIAMは企業内部の管理を重視する一方、CIAMは顧客との関係構築やマーケティング活用などの外部向け機能が充実していることが特徴です。

CIAMの主な機能をそれぞれ詳細に解説しているほか、導入時の注意点も紹介しているため、CIAM導入を検討している方は参考にしてみてください。

ぜひお気軽にご相談ください

IDaaS「Gluegent Gate」はシングルサインオンによるユーザーの利便性・セキュリティ向上に加え、
ゼロトラストの構成要素に欠かせない統合的なID管理を実現します。

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