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コンフィデンシャルコンピューティングの仕組みや役割を解説

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  • セキュリティ

機密性の高い情報を扱う企業にとって、コンフィデンシャルコンピューティングは欠かせない技術です。パブリッククラウド環境でのセキュリティリスクを軽減できる技術で、オンプレミス環境からクラウドへの移行を必要としながらも、厳格なコンプライアンスで断念してきた業界を助けるソリューションとして注目されています。

今回の記事では、コンフィデンシャルコンピューティングの仕組みを解説しています。また、知的財産の機密性確保など主要な役割も紹介しているため、クラウド移行を検討している企業の方は参考にしてみてください。

コンフィデンシャルコンピューティングの仕組みや役割を解説
 目次

コンフィデンシャルコンピューティングとは? 

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コンフィデンシャルコンピューティングとは、パブリッククラウド環境で機密データを保護するための先進的な技術です。コンフィデンシャルコンピューティングは、データを暗号化した状態のままクラウド上で処理することを可能にします。

従来、機密性の高い情報を扱う企業は、セキュリティ上の懸念からパブリッククラウドの利用を避けていましたが、コンフィデンシャルコンピューティングがセキュリティの障壁を取り除いたことで、より多くの企業がクラウドの柔軟性とスケーラビリティを活用できるようになりました。

特に、医療、金融、政府機関など厳格なコンプライアンス要件を持つ産業分野で、コンフィデンシャルコンピューティングの導入によりクラウド活用の幅が大きく広がっています。

コンフィデンシャルコンピューティングが注目を集めている

コンフィデンシャルコンピューティングは、クラウドコンピューティング環境で機密データやプライバシー情報を保護する必要性から誕生しました。医療や金融などの厳格な規制下にある業界では、オンプレミスからパブリッククラウドへの移行に消極的でした。

積極的にクラウドに移行できない背景として、プライバシー保護の懸念や、内部からの脅威に対する十分な監視・防止策が不足していることが挙げられます。コンフィデンシャルコンピューティングは、セキュリティの課題を解決し、機密性の高いワークロードでもクラウドの活用を安全に実現できる可能性を開きつつあります。

コンフィデンシャルコンピューティングの仕組み

コンフィデンシャルコンピューティングの中核となるのは、TEE(Trusted Execution Environments)と呼ばれるセキュリティ技術です。TEEはハードウェアレベルで保護された隔離空間を提供し、TEEの環境内でデータは暗号化されたまま処理されます。

TEEにより、クラウドプロバイダーの管理者や他のユーザーからデータが見えない状態で計算が行われるのです。システムの整合性を保つために、暗号化キーへのアクセス試行時にマルウェアや不正コードによる攻撃を検知すると、TEEは即座にアクセスを拒否し、計算処理をキャンセルします。

コンフィデンシャルコンピューティングの役割

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コンフィデンシャルコンピューティングには、次の役割があります。

  • 知的財産の機密性を確保
  • 安全な共同作業を可能にする
  • エッジコンピューティングにおけるデータ処理の保護
  • クラウドプロバイダー選定時の不安解消
  • 処理中の機密データを守る技術

それぞれの内容を詳しく解説します。

知的財産の機密性を確保

コンフィデンシャルコンピューティングは、企業の知的財産と機密データを保護する上で重要な役割を果たしています。コンフィデンシャルコンピューティングは、データの保存時と転送時の暗号化に加え、暗号化鍵の排他的制御により、機密性の確保が可能なことが特徴です。

知的財産の機密性が確保できるため、規制の厳しいデータセットや機密性の高いアプリケーション・ワークロードを、オンプレミス環境から自由度の高いパブリッククラウドへ移行する効果的な手法として取り入れられています。

また、TEEの活用により、企業は自社の核となるビジネスロジックや先進的な機械学習プロセスを第三者から秘匿しながら、クラウド環境で安全に運用できるようになりました。

安全な共同作業を可能にする

コンフィデンシャルコンピューティングは、安全な共同作業を可能にする技術基盤として機能しています。コンフィデンシャルコンピューティングにより、企業はプライバシーとセキュリティを確保したまま、他組織とのデータ交換や共有が可能になりました。

製薬企業間での臨床データ共有や、金融機関間での不正検知情報の交換など、センシティブな情報を扱う業界での共同作業も期待できます。TEEで処理されるデータは第三者からアクセスできないため、競合他社とも安心して連携できる環境が整っていることも特徴の1つです。

エッジコンピューティングにおけるデータ処理の保護 

エッジコンピューティングはデータ発生源の近くで処理を行う分散型アーキテクチャであり、リアルタイム性やネットワーク負荷軽減に優れています。一方で、分散性ゆえにセキュリティリスクもある点に注意しなければなりません。

セキュリティリスクに対し、コンフィデンシャルコンピューティングを分散型クラウドパターンの一部として導入することで、各エッジノードのデータと実行アプリケーションを保護できます。各デバイスで生成される機密データを、発生源近くで安全に処理しながら、必要な分析や意思決定を迅速に行える環境が実現します。

クラウドプロバイダー選定時の不安解消 

コンフィデンシャルコンピューティングにより、企業は自社の顧客データや独自開発した技術資産、その他の機密情報の保管・処理に関する不安を解消できます。セキュリティリスクの課題解決により、純粋に技術的要件やビジネス目標に基づいて最適なクラウドプロバイダーを選択できるようになりました。

従来はセキュリティ懸念から特定のプロバイダーに縛られていた企業も、コンフィデンシャルコンピューティングにより選択肢が広がり、コスト効率や機能性など多角的な視点からクラウドサービスを評価・採用できます。

処理中の機密データを守る技術 

従来の暗号化技術では、保存時や転送時のデータ保護は可能でしたが、処理時には一度復号する必要があり、復号の瞬間にデータが脆弱になる課題がありました。コンフィデンシャルコンピューティングは復号時の脆弱性課題を解決し、データが処理される最中も暗号化状態を維持できます。

データ処理時の保護機能により、企業は高度な機密性を要するワークロードでもクラウドの豊富なコンピューティングリソースを活用できるようになりました。

まとめ

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今回の記事では、コンフィデンシャルコンピューティングの解説をしました。コンフィデンシャルコンピューティングとは、パブリッククラウド環境で機密データを保護するための先進的な技術です。コンフィデンシャルコンピューティングは、データを暗号化した状態のままクラウド上で処理することを可能にします。

コンフィデンシャルコンピューティングは、セキュリティの課題を解決し、機密性の高いワークロードでもクラウドの活用を安全に実現できる可能性を開きつつあります。

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