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高まるリモートワークセキュリティの必要性!
種類や課題、対策を解説

コロナウイルス感染症拡大防止の対策も相まって、近年リモートワークという働き方が増えてきているのではないでしょうか。自宅やカフェ等、オフィス以外の場所で仕事をするリモートワークは、働き方の自由度を上げる一方で、セキュリティ対策が欠かせません。

本記事では、リモートワークが増える現代において、リモートワークセキュリティの需要が高まる社会的背景や必要性、セキュリティの課題や対策について紹介します。

リモートワークとは

リモートワークは、主にIT企業やベンチャー企業を中心に使われ始めた言葉のようです。Remote(遠隔)とWork(働く)を組み合わせた造語で、明確に定義されているわけではありません。似た言葉としてテレワークがあり、こちらはTele(離れた)とWork(働く)を組み合わせた造語で、ICT(情報通信技術)を利用した柔軟な働き方と定義されています。

しかし、どちらもオフィス以外の場所で仕事することを表していますので、基本的にはテレワークとリモートワークは同義と考えて問題ありません。

セキュリティ対策の需要が高まる社会的背景

リモートワークは働き方改革関連法によって推奨されています。育児や介護でなかなか自宅を離れられない人でも、リモートワークであれば自宅で作業が行えるため、今まで働けなかった層の人々を取り込むことができるでしょう。このようにして推奨されているリモートワークですが、セキュリティ対策が大きな課題となっています。

オフィスとは違い、自宅やカフェのWi-Fiを利用したり、第三者の出入りがある場所で作業を行ったりすることは、ウイルス感染や情報漏洩のリスクが非常に高いのです。万が一、社内で保管する個人情報が漏れてしまえば、悪用の危険や企業の信用問題にもかかわります。

このようなセキュリティ被害を発生させないためにも、リモートワークセキュリティを強化していく必要があるでしょう。

リモートワークセキュリティに求められること

セキュリティ対策は、ウイルス感染や情報漏洩の原因となる様々な要因に対して対策を行う必要があります。そのため、一番に求められるのは総合的なセキュリティ対策です。

また、総務省が2021年5月に公開した「テレワークセキュリティガイドライン第5版 」でも、「ルール」「人」「技術」のバランスが取れた対策が必要と記されています。

求められる対策①ルール

セキュリティ対策にはルールが欠かせません。リモートワークで業務を進めるにあたって、その都度浮上するセキュリティ問題に各従業員がみな適切な判断を下せるとは限りません。

そこで、あらかじめ仕事を安全に行うためのルールを定めておけば、従業員はルールを守ることを意識すればセキュリティ確保も行うことができるようになります。

求められる対策②人

最も実施が難しい対策です。ルールを定めても実際に従業員がそのルールを守らなければ、セキュリティ対策の意味がありません。

また、リモートワークは目の届きにくい場所での作業になるため、各従業員が適切な対策を実施できているか把握することも難しいでしょう。そのため、ルールの意義を理解してもらうための研修や講習が必要となります。

求められる対策③技術

ルールや人では対策しきれない問題を補うために技術が必要です。例えばウイルス対策ソフトやシステム、認証システム等の導入によるセキュリティ強化が挙げられます。

このような技術の導入に際しては、まずリモートワークの方式や特徴を踏まえて、従業員の利便性とセキュリティ強度のバランスをとった対策が必要となります。

リモートワークセキュリティ向上のための対策

リモートワークは柔軟な働き方を実現する一方で、ウイルス感染や情報漏洩といったセキュリティ課題も付いて回ります。ここでは、これらの対策として5つの方法を紹介します。

①ウイルス対策ソフトの導入

使用する端末内へのウイルス対策ソフトのインストールは、多くの企業で行われているのではないでしょうか。これにより、マルウェア感染やフィッシングサイト閲覧の対策が可能です。中でも、近年注目を集めているソフトウェアにはEDRやNGVA等があります。

EDRはマルウェアの侵入を防ぐことはできませんが、感染後の対応を支援することが目的です。NGVAはマルウェアの侵入を未然に防ぎ、感染を予防することが目的です。これらを利用することで、私物端末でのウイルス感染に対しても対策をとることができるでしょう。

②端末の利用制限

盗難や紛失による情報漏洩のリスクを解消するためにも、端末の利用制限を設けることが大切です。これにより、第三者が情報へアクセスすることを防ぎます。

また、従業員が業務効率化のために独断でインストールしたソフトウェアが安全とは限りません。脆弱性のあるソフトウェアによる情報漏洩を防ぐためにも、ソフトウェアのインストールを制限する必要があります。

③個人情報の暗号化

個人情報の管理は企業の社会的信用に大きく関わります。万が一、第三者の手に情報が渡っても内容が解読できないよう、情報を暗号化して管理しておく必要があります。これにより、不正アクセスやデータ紛失時のセキュリティ対策をとることができます。

④認証システムの導入

情報にアクセスするための認証システムを強化しましょう。例えば、2段階認証や多要素認証等があります。これらはユーザーIDとパスワードを入力した後に、もう1段階認証を行う必要があります。このように、認証システムを2ステップに分けることで、本人確認の精度向上が可能です。

⑤脆弱性のチェック

世界中で次々と新しいソフトウェアが開発されていくように、攻撃手段も次々に探し続けられています。そのため、企業で利用するシステムの脆弱性については常にチェックを行い、最新情報に基づいた対策をとることが必要です。

認証システムを利用したセキュリティ対策

リモートワークの推進によりクラウドサービスを利用する機会も増えたのではないでしょうか。クラウドサービスは働き方の多様化を助ける便利なサービスですが、一方でセキュリティリスクが課題とされています。

リモートワークでクラウドサービスを利用する機会が増えた昨今、リモートワークセキュリティ向上のためには、認証システムの導入が欠かせないものとなりました。ここでは近年、導入が進む認証システムの種類やメリットについて解説します。

①2段階認証

2段階認証とは、IDとパスワードによるログイン認証後に再び本人確認する認証方法です。ただし、異なる2つ以上の要素で認証を行う多要素認証とは違い、要素の組み合わせに限らず、2回認証を行えばよいとされています。

不正ログインやアカウント乗っ取りはフィッシングでアカウントが盗み出されることで発生します。しかし、2段階認証を導入しておけば、対応しているデバイスが手元にある限り不正ログインを防ぐことができるでしょう。

②多要素認証

多要素認証とは、本人確認として2つ以上の異なる要素を用いてログインする認証方法です。要素は生体情報・知識情報・所持情報の3つに分けられています。この方法により、単一要素を利用した認証方法に比べ、大きくセキュリティレベルが上がることは間違いありません。

また、複数アカウントを管理しきれなくなり、多くの人々が同じパスワードを使い回したり、単純なパスワードにしたりといった管理による不正ログインのリスクを、未然に防ぐことが可能です。

③パスワードレス認証

パスワードだけに頼った従来の認証方法では、パスワードが第三者に漏洩し悪用されるリスクを回避できません。

しかし、FIDO2(生体認証を含む認証技術の最新規格)や生体認証デバイスを用いたパスワードレス認証では、複雑な操作を必要とせず高い安全性の確保が可能です。万が一、デバイスを盗まれたとしても、指紋などの生体情報がなければ使用されるリスクはほとんどありません。

④シングルサインオン

シングルサインオンとは、1度のログインで同一のID・パスワードによって連携されている複数サービスへ認証不要でログインできる機能のことです。これにより、サービスごとにIDやパスワードを入力する手間が省けます。

管理するパスワードが増えると、パスワードの使い回しやメモとして残しておくことによる第三者の漏洩といったリスクが高まります。シングルサインオンを利用して一括管理・ログインを可能にすることでこのようなリスクの回避が可能です。

まとめ

本記事では、リモートワークが増える現代において、リモートワークセキュリティの需要が高まる社会的背景や必要性、セキュリティの課題や対策について紹介しました。今後も、リモートワークによる作業は増えていくと考えられますので、セキュリティ対策については個人でも理解を深めておく必要があります。

また、企業のシステム管理者においては常に最新情報を追い、情報漏洩を防ぐためにも万全なセキュリティ対策をとることが必要になるでしょう。

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