エクセル(Excel)でワークフローを自作する方法
作成手順と注意点
紙の申請書への記入や承認・捺印を、エクセルファイルを使ってできないか、と考えたことはないでしょうか。メール添付による承認者・関係者への回覧が楽になるだけでなく、たくさんのメリットが思い浮かぶはずです。
エクセルで申請業務を運用する方法は、主に次の3パターンに分けられます。
・台帳管理型(進捗を一覧で管理する方法)
1つの共有Excelファイルを管理台帳として使い、申請状況や対応状況を担当者全員で更新・確認する運用です。
・ファイル回覧型(申請書を順番に回す方法)
Excelで作成した申請書を、メールや共有フォルダで次の承認者へ送っていく運用です。
・外部連携型(転記や通知を自動化する方法)
自社で作成したツールやマクロを使い、Excel データの自動転記や通知を行う運用です。
このように、Excel を使った申請業務には、「一覧で管理する」「ファイルを回覧する」「一部を自動化する」といった複数の運用パターンがあります。
これらの手法は、既存の申請書式をそのまま活用できるため、追加コストを抑えてスピーディーに導入できる点が大きなメリットです。しかしその一方で、承認状況が外部から見えにくいといった進捗の不透明化や、特定の担当者に管理が依存する属人化、さらには内部統制上の脆弱性といった課題も指摘されています。
本記事では、エクセルでワークフローや承認システムを自作する具体的な手順から、運用が限界を迎えた際の判断基準までを詳しく解説します。
目次
エクセル(Excel)ワークフローを自作する4つの手順
エクセルを活用した承認の仕組みを構築する際は、以下の4ステップで進めてはいかがでしょうか。
1. 目的と対象範囲の定義
まずは、どの業務プロセス(稟議、経費精算など)を対象にするか、誰が関与するかを明確にします。範囲を定義することで、無駄のない効率的な設計が可能となります。
2. 承認・決裁経路の設計
次に、承認すべき担当者とその順序を洗い出し、基本構造を決定します。設計段階で細部まで考慮することで、構築後の手戻りを防げます。
3. Excelによる申請書式の作成
セルの色分けやデータ入力規則を活用し、視覚的に分かりやすく、入力ミスや漏れを防ぐ書式を作成します。あわせて承認欄を設けることで、進捗状況の確認も容易になります。

4. テスト運用と修正
実際の運用に基づき、関係者からフィードバックを収集して不具合を修正します。テスト運用を経ることで、自社に最適なワークフローへと改善できます。
エクセル(Excel)でワークフロー・承認システムを構築するメリット
従来の紙ベースの管理をエクセルへ移行することで、主に以下の4つのメリットが得られます。
1. 進捗共有の効率化(デジタル回覧)
メールやクラウドを活用することで、物理的な移動を省き、どこからでも申請・承認が可能になります。多拠点展開している企業では、意思決定が大幅に迅速化されます。
2. 検索性の向上と電子保管
電子ファイルとして保管するため、紙と比べて管理が容易になり、ファイル内の文字列を含めた全文検索も可能になります。過去の申請内容を素早く参照できる点は大きな利点です。
3. 専用システム不要のコスト削減
多くの企業で導入済みのエクセルを使用するため、専用システムの導入費用がかかりません。追加コストなしで構築できるのが最大の魅力です。
4. ペーパーレス化による資源・スペースの削減
紙の申請書をデジタル化することで、用紙代や印刷代、さらには原本を保管するための物理スペースを削減できます。
専用システム導入不要なコスト削減とペーパーレス効果
エクセルを使ったワークフロー作成の大きなメリットは、コストがかからないことです。専用のワークフローシステムを導入するには費用がかかりますが、エクセルは多くの企業で既に導入されているため、追加のコストが発生しません。また、無料で利用できるテンプレートやマクロを活用することで、さらにコストを抑えることが可能です。
また、紙の申請書をエクセルにしていく場合、ペーパーレスによるコスト削減も期待できます。申請書の記入間違いや紛失などで紙を無駄にしてしまうケースがなくなることに加え、決裁後の文書を保管するスペースの削減にもつながる可能性があります。
自作エクセル(Excel)ワークフロー運用における注意点とリスク
多くのメリットがあるエクセルを活用したワークフローですが、組織の規模が拡大するにつれて無視できないリスクも顕在化します。運用を継続する上で、特に注意すべき4つのポイントを解説します。
1. 原本の上書きや改ざん、内部統制(証跡)の脆弱性
エクセルは誰でも編集できるため、意図しない修正や改ざんのリスクが常にあります。また、専用システムのように「誰が、いつ承認・決裁したか」という厳密なログ(証跡)を残しにくく、内部統制の観点でも不十分になりがちです。
2. 特定の担当者に依存するメンテナンスの属人化
マクロ(VBA)等を駆使して自作した場合、作成者以外には仕組みが分からない「属人化」が起こりがちです。担当者の異動や退職により、ルート変更や不具合対応ができず業務が停滞するリスクがあります。
3. 版管理の限界と最新フォーマット周知の難しさ
ファイルの改修後、全員に最新版を徹底させるのは困難です。古い書式での申請による二度手間や、メール添付の繰り返しで「どれが最新の申請書か」が分からなくなる混乱を招きます。
4. モバイル・外出先からの対応不可による意思決定の遅延
PC閲覧が前提のエクセル運用は、スマホでの承認には適していません。承認者が外出中にフローが止まることは、意思決定のスピードを重視する組織において大きなデメリットとなります。
比較項目
エクセル(Excel)ワークフロー
専用システム(クラウド等)
初期コスト
0円(既存ライセンス活用)
初期費用+月額費用
設計の自由度
非常に高い(マクロ・VBA)
システムの枠組みに依存
進捗の可視化
低い(メールや電話で確認が必要)
高い(ダッシュボードで一目瞭然)
内部統制・証跡
弱い(改ざんのリスク・ログ不足)
強い(変更履歴が自動で残る)
エクセル(Excel)の課題を解決するクラウドワークフローへの移行
エクセルでの運用に限界を感じた場合、クラウドワークフローシステムへ移行することで、前述した「属人化」や「改ざんリスク」といった課題を根本から解決できます。
厳格な権限管理と改ざん防止: 「誰がどこを入力できるか」を厳密に制御し、強固な内部統制を実現します。
ノーコード設定で属人化を排除: 専門知識がなくてもブラウザ上で経路作成が可能です。
WEB上で保管することで常に最新フォーマットを共有: テンプレート修正が即座に反映され、古いエクセル書式での申請トラブルを減らします。
外出先でも承認可能: スマートフォンからいつでも決裁でき、意思決定を早めます。
クラウドワークフロー導入による改善事例
クラウドワークフローの導入により、以下のような成果が報告されています。
転記作業の撤廃: 日本ノボパン工業株式会社では、予算の取り崩し処理を行っている設備メンテナンス業務について、稟議ワークフローと連携することで転記作業が不要に。デジタル化を実現しました。
処理スピードの向上: 株式会社紅中では、Excelで作成した申請書をメールで回していましたが、進捗確認や管理が煩雑に。ワークフロー導入後は、進捗が可視化されたことで確認の手間が減り、管理の一元化で検索が可能になったことから決裁後の業務も導入前と比べて全体の処理スピードが劇的に改善。以前は請求書の支払依頼時に「いつの稟議決裁か」を確認するために番号やファイルを検索していましたが、その手間も解消されました。
エクセル(Excel)資産を活かせる「グルージェントフロー」
「グルージェントフロー(Gluegent Flow)」なら、既存のエクセルフォーマットをコピー&ペーストするだけで、簡単にWebフォーム化できます。長年使い慣れたレイアウトを維持したまま、スムーズにシステムへ移行できるのが大きな特徴です。
全社的な工数削減と持続的なコスト削減効果
クラウドワークフローの導入には月額費用が発生しますが、それを大きく上回る投資対効果が期待できます。

・自動化による負担軽減: 申請データの集計や統計作業が自動化され、管理者の工数を大幅に削減。
・意思決定のスピードアップ: スマホアプリへの通知機能により、場所を選ばず承認が可能に。
・物理コストの撤廃: ペーパーレス化による紙代や保管スペースのコストを最小化。
このように、ワークフローのシステム化は特定の担当者だけでなく、申請者・承認者を含む全社員の業務効率を向上させます。
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