Teamsの容量確認と削除手順
さらに、適切な容量を自動管理するワークフローを解説

Teamsチームの裏側にあるデータストレージは、主にSharePoint Onlineのチームサイトに格納されます。そのため、容量を確認・管理する際は、Teamsのフロント画面ではなく、SharePoint OnlineとTeams管理センターを確認しましょう。

現在のチームサイト容量を確認する方法

TeamsのバックエンドであるSharePoint Online管理センターを利用します。Teams管理センターでは、Teamsに関するアクティブユーザ数、チーム数、メッセージ数などを現状の概要として確認できますが、詳細な容量状況の確認はSharePointが担っています。

１．SharePoint Online 管理センターへのアクセス

Microsoft 365管理センターにアクセスし、すべての管理センターからSharePointを選択します。

２．アクティブなサイトの確認

左側のナビゲーションでサイト > アクティブなサイトを選択します。

↓画像の赤枠をご参照ください。

３．チームサイトの特定と容量の確認

• • この一覧には、SharePointサイト、コミュニケーションサイトなど、テナント内のすべてのアクティブなサイトが表示されます。Teamsと紐づいているチームサイトは、通常、チームサイトのアイコンが表示されます。

画像の緑枠をご参照ください。

• • この一覧のストレージ列で、各チームサイト（＝Teamsの裏側）が現在使用している容量（ギガバイト単位）を確認できます。

画像の水色枠をご参照ください。

• • ヘッダーのストレージをクリックして降順に並べ替えれば、容量を最も多く消費しているチームサイトを特定できます。これにより、容量削減の候補を選定しやすくなります。

この方法で特定したサイト容量を確認することで、現場で容量を気にせず、自由気ままに利用している状況や、現場申告で「容量がいっぱいだ」という訴えに惑わされることなく、事実に即して優先順位を決定できます。

それでは容量が逼迫する前に、データライフサイクル管理の観点から、適宜削除していきましょう。具体的な削減手順は以下の通りです。

１．大容量ファイルの特定と整理

• • データ削減候補（容量逼迫している）となるチームサイトに、SharePoint Online管理センターからアクセスします。

• • チームサイト内のドキュメントライブラリに移動し、サイズ、更新日でフィルタリングし、特にサイズの大きいファイルや長期間アクセスされていないファイルを特定します。

• • 現場担当者と連携し、不要な大容量ファイル（例えば、古い動画ファイル、高解像度の画像データ、重複ファイルなど）を特定します。
    
    

２．不要ファイルの削除

• • 特定した不要なファイルを削除します。SharePointの仕様上、ファイルを削除しても、ごみ箱に移動するだけでは容量は解放されません。

• • ファイルを削除した後、サイトのごみ箱（第1段階のごみ箱）を開き、そこからもファイルを削除する必要があります。

　　↓画像（Recyle Bin：第一段階のゴミ箱）の赤枠をご参照ください。

• • さらに、ごみ箱からも削除されたデータは「サイトコレクションのごみ箱」（第2段階のごみ箱）に残る場合があります。管理者権限で第2段階のごみ箱からも削除することで、初めてテナント全体のストレージが解放されます。

　　↓画像（Second-Stage Recyle Bin：第二段階のゴミ箱）の赤枠をご参照ください。

３．削減手順：古いチャネル、チームのアーカイブまたは削除

• • 利用頻度が極端に低いチームやチャネルであっても、そのチームサイトも容量を消費し続けています。
  • Teams管理センターにアクセスし、チーム>チームの管理から、対象チームをアーカイブするか、完全に削除します。

• • • アーカイブ：チームを読み取り専用にし、アクティビティを停止しますが、データは保持されます。一時的な休止に適しています。

• • • 削除：チームと、それに紐づくSharePointサイトのデータを完全に削除します。
      

• • チームの完全削除は、データが完全に失われることを意味するため、事前に現場に十分に確認を行い、必要なデータはOneDriveや別のアーカイブ用ストレージに移行するよう指導しましょう。

容量逼迫に対し、削除候補を炙り出し、削除するという対処は一時的な対症療法となります。目指すべき適切な容量管理としては、現場で好き勝手にチームサイトを作成・削除させないための仕組み、すなわち適切な容量管理への仕組み化、ワークフロー化です。

ユーザー側で自由にチームサイトが作れると、すぐに使われなくなるテスト用チームや、用途が重複したチームが乱立し、管理コストが増加します。そこで申請・了承プロセスを決め、ワークフローを導入してみませんか？

ワークフロー導入のメリット

• • 容量の計画的利用: チームサイト作成に申請の手順を踏ませることで、全体の容量増加を抑制できます。

• • ガバナンスの確保: チームサイト作成時にセキュリティやアクセス権限の基準（プライベートかパブリックかなど）を担保できます。

• • コスト管理: 無駄なリソース消費を防ぎ、Microsoft365ライセンスの適切な管理にも貢献します。
    
    

ワークフロー設計のポイント

１．申請時に「利用目的」と「想定期間」を必須化

• • 作成理由と、いつまで利用する予定か（例：プロジェクト完了まで、恒久利用など）を申請者に明確にさせます。その他、メンバー数、プライベートかパブリックかなどセキュリティやアクセス権限に関する項目をも申告させます。
    
    

２．情シス部門へ承認を得る

• • 申請内容を情シス部門（またはMicrosoft365管理者）が確認し、既存チームとの重複していないか、命名規則（ネーミングポリシー）に準拠しているかを確認し、了承/差し戻しの判断をします。
    
    

３．有効期限と自動通知

• • 利用目的と想定期間に基づき、自動でチームに有効期限（Expiration Policy）を設定します。期限が近づくと自動で所有者に通知できます。
    
    

上記はチームサイト作成パターンを紹介しましたが、同様にチームへのメンバー追加や削除、チームサイトの削除についても申請・承認のワークフローを作成すると良いでしょう。

今後も適切な容量で運用し続けるために、テナント全体の容量上限を考慮し、今後増加するデータを見越して、全チームで過不足なく利用できる容量配分を定めましょう。以下にて、サンプルをご紹介します。

ワークフロー化前に、上記の基準を作成し、基準を満たす申請のみを了承するという方法もありますし、逆に、当初は上記のような基準を作成せず、ワークフローでチームサイト作成・削除の申請データを蓄積し、傾向を把握してから、現状に即した基準を作成する方法もあります。

さらに、これらの基準をベースに、Teamsサイトのライフサイクル管理（作成→利用→休止→アーカイブ→削除）を標準化することで、容量の計画利用と管理を同時に強化できます。

Teams利用のワークフロー化から、Microsoft 365全体のガバナンスを強化へと進めましょう。

ワークフローを用いれば、Microsoft365のアカウント追加・更新・削除の業務プロセスを、入退社員の手続きと同時並行で、自動的に進める手法を確立できる可能性があります。ワークフローを用いれば、SharePoint上のエクセルに社内端末貸出申請の貸出者・貸出期間・貸出端末ID・返却有無・返却日などのデータを自動で更新させる仕組みも設計できます。もし気になりましたら、ぜひグルージェントフローにお声がけください。