申請・稟議・契約業務のペーパーレス化 - 成功のコツとペーパーレス化成功事例3選

いまだに多くの企業で紙の文書がつかわれている

近年はテレワークが広く取り入れられるなど、働き方の多様化が一気に進みました。それに伴い、ペーパーレス化への興味も高まっています。これまでは同じオフィスで働いていたため、紙の書類を記入して手渡しすれば用事が済みました。しかし離れて働く人がいる状況が当たり前になると、紙の書類の扱いはとたんに面倒なものになります。

ある調査によれば、2022年でも多くの企業が業務に紙の文書を使っているとのこと。中でも多いのは、契約・申請書類、取引先への請求書や見積書で、半数以上がいまだに紙を使っているそうです。PCなどの環境が統一されている社内とは違い、相手がどのような仕組みを使っているかわからない場合には紙を使っておくのが安心、そんな考えが背景にあるのかもしれません。ですが、そこで思考停止していたらいつまでたっても紙をなくすことはできません。

紙の書類は、確かに誰でも扱えます。互換性という点においては極めて優れた媒体と言っていいでしょう。しかし、情報を物理的な媒体に縛り付けることにより生じるデメリットも数多く存在します。人から人へ、オフィスからオフィスへ書類を届けるのに時間がかかります。その紙がある場所にいる人しか、情報を扱うことができません。保管するためにも、かなりの場所を必要とします。

ペーパーレス化に必要なのは、2つの「電子化」

上で述べたようなデメリットを解消するための方策が、ペーパーレス化です。紙の文書を電子化するのですが、紙に書かれていた内容を単純に電子化するだけではうまくいかないことがあります。ペーパーレス化を成功させるためには、2つのものを電子化しなければならないことを覚えておいてください。それは、「紙」と「業務」です。

「電子化」するべきモノは2つ
紙 → 電子ファイル または データ
業務 → サービスでプロセスを規定

紙の書類を電子化しただけでも、ペーパーレス化の第一歩は踏み出せます。しかし、今度は別の困難が待ち受けています。

たとえば、顧客に送る見積書をExcelなどを使って電子化したとします。最初に作った人が、「顧客名_見積書.xlsx」とファイル名をつけて保存します。その金額で提出していいかどうか、上司にメールで送ると、修正されたファイル「顧客名_見積書_上司修正.xlsx」が返ってきます。それを顧客に見せたところ、数量や金額の調整が発生しました。「顧客名_見積書_2.xlsx」の誕生です。先と同じ経緯で「顧客名_見積書_2_上司修正.xlsx」ができて、どれが最終版かわかりにくくなったので「顧客名_見積書_日付.xlsx」とリネームしました。さらに修正があり「顧客名_見積書_最終版.xlsx」が作られて……これらが並んでいるフォルダを後で見返したら、最終的に顧客に渡した見積書がどれなのか、すぐには見当がつかないことでしょう。最後に提出したファイルを印刷して保管した方が安心、なんてことにもなりかねません。

混乱の原因は、紙を電子化しただけで、業務を電子化しなかったことにあります。情報の入れ物が変わっただけで、扱い方を変えていなかったのです。誰かが中心になってファイルを管理してくれればそれでも仕事はまわります。でもそれでは、大量に発生する紙を一生懸命ファイリングしてくれる人がいた頃と変わりませんよね。

情報の入れ物を電子化するだけではなく、情報の扱い方=業務の電子化が必須

ペーパーレス化を成功させるために必要なもうひとつの電子化、それが業務の電子化です。暗黙のルールや個人裁量による調整で業務を進めるのではなく、業務プロセスを明確に定めて、システム化する必要があります。そうすることで、業務の流れが明確になり、個人裁量の調整がなくても業務プロセスが正しく進むようになります。

情報の入れ物を電子化するだけではなく、情報の扱い方=業務の電子化が必須

業務の電子化に役立つのが、ワークフローシステムです。入力すべき情報をフォーマットで規定し、情報を確認すべき人とその順番を定めることができます。情報の電子化と業務の電子化を両方とも実現できるのです。先の見積書作成を例に、ワークフローを使った業務の電子化がもたらす変化を見てみましょう。

情報の入れ物を電子化するだけではなく、情報の扱い方=業務の電子化が必須

業務が電子化されていない状態では、見積書に必要な項目は何なのか、作成したファイルを誰に送ればいいのか、従業員個人が判断しなければなりませんでした。しかも、修正が施されるたびにファイルが増えていきます。

一方ワークフローを使って業務まで電子化した場合、フォーマットに従って情報を入力すれば、誰でも抜け漏れのない見積書を作ることができます。作成した見積書をチェックすべき人が規定されているので、悩んだり間違えたりすることなく業務プロセスを進められます。さらに、承認をトリガーにして見積書を客先に送るところまでを自動化できるので、承認されたのに送り忘れたというような人的ミスもなくせます。

Gluegent Flowを使ったペーパーレス化の成功事例3選

最後に、Google Workspace やMicrosoft 365と連携して活用できるワークフロー「Gluegent Flow」を使った、ペーパーレス化の成功事例をご紹介しましょう。

株式会社サンゲツ様

壁紙やカーテン、床材などを扱うインテリア企業。働き方改革や文書管理効率化の取り組みからペーパーレス化に着手しました。COVID-19の影響もあり、ペーパーレス化に加えて業務効率化も課題となり、Gluegent Flowを導入。申請・承認業務のデジタル化やペーパーレス化を実現し、年間1,600時間もの業務短縮に成功しました。

セントラルソフト株式会社様

官公庁から金融・流通・製造・医療・教育まで幅広い業界にソリューションを提供するIT企業。SESとして多数のエンジニアが社外で働く環境であり、紙の申請書に不便を感じてGluegent Flowを導入されました。申請から業務連絡メモまで幅広くGluegent Flowを活用して、業務工数の削減、ペーパーレス化の両方において大きな効果を得られました。

三友株式会社様

スタジオの設計、施工、撮影に必要な機材の販売、映像制作など映像に関わるサービスを幅広く手がける企業。社内システムをオンプレミスからMicrosoft 365に移行したのを機に、Gluegent Flowを導入してワークフローも電子化。ペーパーレス化を進めたおかげでCOVID-19によるテレワークにも柔軟に対応できました。
ワークフローについてもっと知りたい方は、以下のページもご覧ください。