建築業界特有の法令遵守に対応
建材メーカーのバックオフィスDX・業務効率化
建材メーカーは、日々、高度化・複雑化する建築基準や環境基準への対応が必須であり、事業継続に直結する重要な課題と言えるでしょう。
SDGsからなる省エネやカーボンニュートラルなど、住宅や建築物の環境配慮に対する性能要件が厳格化の一途を辿っており、企業における法令遵守(コンプライアンス)とリスク管理が重要視されています。
本記事では、遵守すべき法制の下、建材メーカーが直面する具体的な課題を提示し、その解決策として、建築基準や環境基準への社内対応を一例とし、事業プロセスに特化したワークフローシステムの具体的な活用法をご紹介します
目次
建築基準・環境基準が、建材メーカーにもたらす課題
住宅や建築物の性能向上は社会的な責務です。建材メーカーとしては、提供する建材がこれらの基準に適合し続ける必要があります。近年の法改正サイクルは短期化し、その内容は専門的かつ複雑化しています。この外部環境への対応が、建材メーカーの事業継続において、看過できない課題をもたらしています。
法改正への後手対応は許されない!主要建材の適合性調査が負う法令遵守リスク
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事実1(頻発する法改正): 2025年4月からの省エネ基準適合義務化や、2020年の建築物省エネ法の改正など、主要な法改正が数年単位で施行されています。これらの法改正は、製品の仕様変更や生産ライン、在庫管理にまで影響を及ぼします。- 事実2(適合性の証明責任): 住宅性能表示制度や各種認定において、建材が基準を満たしていることの証拠(試験結果、認定書など)の管理と提出が求められます。この適合性に疑義が生じた場合、事業全体の信頼性が揺らぎます。
- 事実3(リコールリスク): 法改正後の適合性調査が遅延し、非適合建材を市場に出荷し続けた場合、法令遵守違反はもちろんのこと、大規模な製品回収(リコール)や損害賠償といった事業継続を脅かす重大なリスクが発生します。
主要建材が新基準に適合しているか否かを迅速かつ正確に判断し、その証跡を残すことは、もはや製品開発部門だけの責任ではなく、営業や管理部(バックオフィス)を含む企業全体で管理すべき最重要法令遵守リスクとなっています。
長期優良住宅や省エネ基準など、高度化する住宅性能要件への迅速な追従の必要性
法改正の潮流は、単なる最低限の基準適合を超え、「高性能化」へと向かっています。この傾向への迅速な追従は、競合との差別化や機会損失を防ぐ上でも不可欠です。
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事実4(市場の要求): 「長期優良住宅」「ZEH(ゼッチ)」など、高い住宅性能を満たす住宅への市場ニーズは増加しています。これらに対応する建材を提供できなければ、ハウスメーカーや工務店の採用から外れる恐れがあり、売上減に直結します。- 事実5(認証プロセスの複雑化): 高度な住宅性能に貢献する建材は、様々な公的認証や評価を取得する必要があります。これらの認証取得プロセスは、申請、試験、審査、そして規格変更の度に発生し、煩雑な社内手続きと厳格な証跡管理が求められます。
- 事実6(情報伝達の遅延リスク): 規格変更や性能評価に関する重要な情報が、研究開発、製造、品質保証、営業部門間でタイムリーに共有されない場合、設計ミスや誤った仕様での受注といった問題を引き起こします。
建材メーカーの管理部門は、これらの基準や認証情報を社内に迅速かつ正確に展開し、製品開発から販売までの全プロセスで「追従が遅れることによる機会損失」を防ぐ役割を担っていると言えるでしょう。
業務プロセスの可視化と迅速化が鍵。事業を支えるワークフローシステムの活用
紙やメールなどのやり取りをメインするアナログな業務プロセスでは、法令遵守リスクや機会損失リスクに対応できません。業務プロセスを迅速化するために、ワークフローシステムの戦略的な活用をおススメします。
多くの企業では、ワークフローを「紙の社内稟議を電子化し、ハンコをなくすツール」と認識しています。なぜ、社内稟議にワークフローを採用するのでしょう?それは、プロセスの可視化と迅速化、証跡確保を確実に実現できるからです。これは、法令遵守の事業プロセスで実現したい点、留意すべき重要な点と、非常に似ていると思いませんか?
迅速で確実な法対応へ。ワークフローによる解決ポイント
1. プロセスの標準化と可視化による法令遵守の徹底

課題:建材適合性調査や品質管理は、担当者や部門によって手順が異なり、証跡の残し方にばらつきが出ており、証跡管理に課題を感じている。

解決:適合性調査の手順(情報収集、評価、承認 、データベース登録)をワークフロー上に必須の手順として定義し、誰もが同じ手順を踏むように設計。これにより、属人性を排除し、法令遵守のレベルを社内全体で一定に担保。さらに、ワークフロー後の調査済データを、ドライブ等へ自動保存させ、確実な証跡保管を実現します。
2. 判断プロセスの迅速化による機会損失の最小化

課題:新基準への対応方針や、非適合が判明した際の対策決定に、複数部署(研究、法務、品質管理、経営層)の判断が必要で、紙やメールベースでは時間がかかってしまう。

解決:ワークフローを用いれば複数部署へ順番に確認依頼する経路も、一斉に確認依頼する経路も設計できます。複数部署が絡む事案でも内容や関係部署別に経路を分けて対応することで、意思決定までのリードタイムを短縮。結果として、新製品の開発・市場投入の遅延を防ぐことができます。
3. 証跡の自動記録によるリスクマネジメントの強化

課題:万が一、非適合建材が出荷された場合、「誰が」「いつ」「どのような根拠で」出荷を承認したのかの特定ができない。または特定に時間がかかる。
解決:適合性調査に関する業務プロセスと、出荷に関する業務プロセス、どちらもワークフローに載せれば、「誰が」「いつ」「なにをした(確認・承認など)」という行動履歴はワークフローデータと共に、編集不可で蓄積・保管され、一元管理できます。つまり、万が一、問題が発生した際も、迅速な原因究明ができ、今後策についての迅速な対応を行えます。
事例:新基準への建材適合調査プロセスをワークフローで実現。リスクと機会損失を防ぐ
ここで、建材メーカーの管理部門がワークフローを活用できる、具体的な事業プロセスの例を紹介します。
【プロセス名:新建築基準対応 建材適合性調査フロー】


法改正や新基準をトリガーに、「適合 or 不適合」の判断をワークフローに載せて行うことで、業務プロセスの可視化、迅速化、証跡保存を実現できます。また不適合の可能性を見つけた際にも迅速に対応でき、法令遵守リスクを最小限にできるでしょう。
バックオフィスDXで、業務プロセスをもっと早く正確に
建築基準や環境基準の改定を、より早くより正しく社内に周知させる役割は、管理部、法務部などバックオフィスが担っています。バックオフィスDXは、法令遵守とリスク管理を強化することで、事業の継続性と成長を牽引します。
当社のクラウドワークフロー「グルージェントフロー」は非常に汎用性が高く、建築、建材、建機業などのお客様が、社内稟議プロセスだけではなく、事業における業務プロセスにも活用されています。その理由は3つあります。
グルージェントフローなら、業務プロセスを可視化できる。
新基準や法改正の内容から、適合性の事前調査、調査結果を下にした判断と、その対応策まで、適合性調査フロー全てのプロセスを可視化できます。どの段階で滞留しているかステータスが見えるため、遅延の抑止効果も期待できます。スマートフォンからも確認でき、業務プロセスを止めることはありません。
グルージェントフローなら、法対応を迅速化できる。
新基準や法改正をトリガーに、適合性調査フローをWEBで完結できます。確認、判断依頼は自動でメールやビジネスチャットに通知でき、見逃しを防止できます。一つ一つの工程を適切に進めつつ、グルージェントフロー活用により時間と手間を短縮することで、全体としての業務プロセスを迅速化できます。
グルージェントフローなら、改ざん不可能な証跡を残せる。
社内稟議システムとして監査対応要件を満たしているグルージェントフローは、申請・承認した内容と共に「いつ、誰が、なにをしたか」という履歴を全て、証跡として蓄積します。この証跡データは、システム管理者であっても変更不能で、改ざんできない仕様となっています。(閲覧は可能)これにより、ガバナンス強化やリスク管理にお役立ていただけます。
事業プロセスにおけるワークフローシステムの活用を、管理部門から戦略的に推進しましょう。バッグオフィスDXは管理部内での業務効率ではなく、事業継続や事業成長を支える業務改善であるべきです。ぜひ、皆様の片腕としてワークフローシステムを検討されてはいかがでしょうか?


