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簡単なワークフローに潜む落とし穴
運用を成功させる本当のポイントと選び方

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多くの企業が業務効率化のためにワークフローシステムの導入を検討する際、「簡単」「誰でも」「すぐ使える」といったキーワードに惹かれることでしょう。もちろん、難しいよりも簡単な方が良いのは当然ですが、ここに落とし穴が潜んでいることがあります。導入してしまってから後悔しないためには。アピールされている「簡単さ」が具体的に何を指しているのかを深く考えて製品を選定することが重要です。

簡単なワークフローに潜む落とし穴
 目次

「簡単なワークフロー」が指すものとは?──多くは「導入の簡単さ」

ワークフロー製品が「簡単」だという場合、いくつかのパターンがあります。

  • 「簡単に始められる」:導入が簡単、設定項目が少ない、承認ルートがシンプル、使い始めるまでのスピードが速い、といった点です。
  • 「クラウド型でセッティングが簡単」:サーバーなどの機器が不要で、ワークフローに機能を絞り、他のシステムから独立しているためシンプルだという理由で「簡単」とアピールされます。
  • 「カスタマイズが簡単」:テンプレートから申請フォームを選んだり、ノーコードで操作できたりしてカスタマイズが簡単だと謳う製品も多く見られます。

しかし、これらの「簡単さ」は、よく考えるとセッティングやカスタマイズといった「導入時の手間」を指していることに気づきます。つまり、「簡単なワークフロー = 導入が簡単なワークフロー」なのです。ここから、「導入が簡単なワークフローは、導入後の運用も簡単なのか?」という重要な疑問が生まれます。

「簡単」なワークフロー導入後に直面する「困難」な場面

導入時に「簡単」と感じたワークフロー製品が、その後の運用で思わぬ課題をもたらすことがあります。

  • アカウント管理が簡単じゃない
    • 簡単でシンプルな製品の多くは、他のシステムとの連携機能を持たず、単体で完結するように設計されています。これにより導入は簡単になりますが、運用段階では不便が生じます。
    • 従業員の入退社があるたびに、手動でアカウント情報の更新(新規ID発行やID削除など)が必要になり、手間がかかります。
  • 組織情報のメンテナンスが簡単じゃない
    • 運用開始後に組織改編があった場合、組織情報を手動でメンテナンスしなければなりません。新たな組織を作成し、従業員アカウントの内容を書き換え、紐付ける作業は意外と煩雑です。
  • 承認経路の担当者変更が簡単じゃない
    • 人事異動で承認者が変わった際、承認経路が人物と紐付いている場合は、申請フォームを一つずつ編集して承認者を変更する必要があります。変更漏れがあると、ワークフローが正しく動作しなかったり、別の人が承認してしまったりする混乱を招く恐れがあります。
  • 経路の分岐処理が簡単じゃない
    • ワークフロー製品の中には、経路を一本道でしか設定できない、あるいは申請内容によって承認経路を切り替えることが想定されていないシンプルな製品もあります。
    • 導入は簡単ですが、利用が広がるにつれて問題が顕在化します。分岐処理に対応していないと、ほとんど同じ内容の申請をいくつも個別に作成する必要が生じます。これにより、申請者は目的のフォームを探すのに戸惑い、管理者はメンテナンスする申請フォームが著しく増加します。
  • 監査対応が簡単じゃない
    • 企業の規模によっては、監査への対応も重要になります。必要な情報を、必要な時に、簡単に閲覧できることが必須です。そのためには、必要な期間、情報が改ざんされずに保管され、かつ強力な検索機能で簡単に見つけ出せる必要があります。
    • フリーワード検索機能が弱い製品が散見されるため、この点は重要なチェックポイントです。

弊社がワークフロー導入企業に対して独自に行った調査では、ワークフローシステムを選定する際に「もっと重視すべきだった点」として45%の人が「業務変化に合わせた柔軟な設定・調査のしやすさ」を、29%の人が「組織変更や人事移動に対する管理のしやすさ」を挙げています。

詳しい調査結果は以下をご覧ください。

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「簡単」導入が招くシステムの利用離れと解決策

手っ取り早く導入するために簡単に導入できるワークフローシステムを選定した場合、上記のように運用で苦労する可能性があります。実際に利用するユーザーが設定の変更や改善を実施したくても簡単に編集や変更ができない場合は、情報システム部門に頼る必要がありますが、結果的に運用負荷が情報システム部門に集中することになる恐れがあります。

従業員はワークフローシステムの利用を諦め、例外や特例ということにして勝手に業務を回し始めるリスクがあります。社内規程に沿ったワークフローを使用しないことになるため、コンプライアンス上も問題が出てきます。

そうならないように、長期的な運用も見据えたワークフローシステムを選定、導入することが重要です。

導入も運用も「簡単」で機能が充実し、ユーザーも情報システム部門も納得のワークフロー:Gluegent Flow

Gluegent Flow

ワークフローシステムを選定する場合、現場での編集や変更の「簡単さ」と、情報システム部門が重要視する「機能、セキュリティ、安定性、連携」のポイントを両立する製品を選ぶことが理想です。その良いとこ取りができる製品の一つとして、「Gluegent Flow」(グルージェントフロー)が挙げられます。

Gluegent Flowは、導入や操作が簡単でありながら、運用時の手間を軽減し、セキュリティも担保され、他のシステムとも連携可能です。

  • 既存ID基盤との連携でアカウント管理の手間なし
    • Microsoft 365やGoogle Workspace  と連携できるワークフロー製品であり、アカウント情報も自動で連携するため、個別の管理手間が発生しません。
  • ロールベースの承認経路設計で組織改編に柔軟対応
    • 個人名ではなく役職(ロール)で承認経路を設計できるため、組織改編や人事異動があっても、申請フォームを一つずつ修正する必要がありません。Microsoft 365 や Google Workspaceのアカウント情報を修正するだけで、組織構成や承認者が自動的に反映されます。
  • ISMS認証取得のクラウド製品でセキュリティも万全
    • クラウドで提供され、ISMS認証も取得しており、その高いセキュリティは保証されています。誰かが直接改ざんできないように設計されているため、監査の証跡としても利用可能です。
  • 強力な検索機能、アーカイブ機能を備え監査対応も容易
    • 監査の証跡に耐えうる堅牢性を備えるだけでなく、必要な情報を簡単に用意できる機能も充実しています。特にテキスト検索機能は競合製品とは一線を画す強力さで、記入内容、コメントなど申請に含まれる全ての文字を対象に検索が可能です。アーカイブ機能は、すべての申請承認データをダウンロードできるため監査業務も安心です。
  • 手厚いサポート体制で安心
    • 設定方法や使い方の説明を網羅したWebサイト「クラウドコンシェルジュ」や、導入から利活用まで徹底してご支援する「カスタマーサクセス」が利用可能です。ユーザーの簡単な疑問から、情報システム部門も納得する深い技術的知見までカバーするため、安心して導入・運用できます。

幸せなワークフロー導入のために

目先の「簡単さ」だけに惑わされることなく、運用や活用の展開までも見据えたワークフローシステムを選定することで、非常に大きなメリットを得られます。導入から運用までを、業務部門と情報システム部門の双方の観点でシミュレーションすることで、幸せなワークフロー導入を実現できるでしょう。