業務の「属人化解消」と「業務標準化」を成功させるロードマップ：ツール活用3ステップ

属人化とは、特定の個人（担当者）のみが業務のノウハウや判断基準を知り、他の人が代替できない状態を指します。業務プロセスがブラックボックス化すると、その担当者が不在になったとたんに、業務全体がストップするリスクがあります。

属人化の最大の問題の一つは、業務のボトルネックが発生し、生産性が低下することです。特に、稟議や決裁プロセスにおいて問題が顕在化し、「承認や決裁が遅い」「上司が確認してくれない」といった具体的な問題につながっています。稟議は決まった役職や特定の人物に依存しているため、決裁が停滞し、業務プロセスがスムーズに進まなくなります。

業務が標準化されていない場合、業務品質は担当者の経験や記憶に依存し、品質がばらつきます。これは、内部統制の観点からも大きな問題となります。誰が、いつ、どのような理由で承認・判断したかの記録（監査証跡）が紙やローカルファイルに埋もれてしまい、監査対応が困難になるリスクがあります。

属人化を解消するには、業務を標準化することが大切です。そのためには、以下の3ステップを順序立てて実行することが必要です。

まず、現在の業務の流れを業務プロセスフローとして詳細に書き出し、「見える化」します。現場担当者が実際に行っている「非公式な手順」や「暗黙のルール」も含めて可視化することで、業務の全体像と属人化しているポイントを特定します。

可視化されたプロセスに基づき、業務を特定の人に依存させているポイントを特定し、明確なルールを設計します。特に、特定の個人が判断を下す「判断の属人化」や、申請時に使用するデータがExcelファイルなど一部の担当者のみで管理されている「マスタの属人化」を解消するルールを策定します。

ルールを設定するだけでは定着は困難です。標準化されたプロセスを確実に実行するため、ワークフローシステムなどのITツールに組み込み、「システム化」します。システムが自動でプロセスを強制することで、誰でも同じ手順で業務を遂行できるようになります。

属人化を解消するためにはITツールの利用が有効ですが、ワークフローシステムは属人化を構造的に排除する最適なソリューションです。

ワークフローシステムは、申請内容、金額、または役職に応じて承認経路を自動で設定し、固定化することが可能です。これにより、特定の担当者が不在であっても、代理承認や代替ルートにタスクが自動で回り、業務停滞の原因となる「人依存」の決裁プロセスを排除できます。

業務知識やデータ管理の属人化は、Excelでのマスタ管理が原因であることが多いです。マスター登録や更新そのものをワークフロー化し、属人化しがちなデータを一元管理することで、入力ミスやローカルファイルへの依存（脱Excel）を解消します。

ワークフローシステムは、申請、承認、否認などのすべての操作について、日時と実行者を自動で記録（監査証跡）します。これにより、内部統制の強化や監査対応に必要な情報が自動で整備され、属人化による不正リスクを低減できます。

弊社では、クラウドワークフロー「グルージェントフロー」（Gluegent Flow）をご提供し、さまざまなお客様の業務プロセスの属人化解消のご支援をしています。グルージェントフローを活用して属人化を解消し、業務の標準化に成功された例をご覧ください。

属人化の解消と業務標準化は、単なる効率化に留まらず、事業継続性（BCP）や内部統制の観点から企業の土台を固める上で極めて重要な課題です。複雑な業務フローや特定の担当者に依存した承認プロセスに悩まされている企業にとって、属人化解消に特化したワークフローシステムの導入は、DX推進の確かな第一歩となります。