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稟議とは。面倒から解放されるポイント

  • 稟議書
  • 電子化

稟議を通すことに時間がかかると、組織としての意思決定が遅れ、業績や経営に影響が出るなどの損失をもたらします。また個人単位では物事が計画どおりに進められなかったり、自分の業務にしわ寄せが来たりして残業が増えるなどの問題も起こります。 ここでは、稟議が通るまでの時間を短くするためのポイントをご紹介します。

稟議とは。面倒から解放されるポイント
 目次

稟議書の内容・種類

稟議の内容

稟議書は、起案する者が提案したい重要事項について、具体的な内容(目的、背景、予算、スケジュール)などを記載します。起案後、「決裁権限表」に従って関係者がそれを確認し、承認または修正の意見や申し送りのコメントなどを記入。最終的に、全員の承認や決裁が得られ次第、提案が正式に実行に移されます。

稟議書の種類

稟議書にはさまざまな種類があり、以下の稟議が多く利用されています。

稟議書の種類

購入稟議 備品や消耗品などを購入するときの稟議
出張稟議 出張するときの稟議
外注稟議 自社で実施できない業務を外部に委託するときの稟議
契約稟議 取引先との取引の開始や、取引に関する契約を締結するときの稟議
採用稟議 人を新たに採用するための稟議

どの稟議書も面倒という現実

いろんな種類の稟議書がある中で、常に付きまとうのが「毎度、稟議書を書くのが面倒」「処理するのが面倒」という現実です。面倒に思う原因としては、根回しが必要なケースや稟議がスムーズに決裁されない等がありますが、個人に起因するものと組織に起因するものに分けると、およそ以下の内容が考えられます。

個人に起因するケース

1.稟議に必要な情報を網羅できていない

決裁・承認を得るために最低限必要な目的・理由・手段を具体的に明記しておらず、差し戻されるケース。

2.承認・決裁する立場の上司がつかまらない

上司の出張が多かったり、テレワークなどで連絡が取りにくい状況など、残念ながらよくあるケースです。

3.稟議を紛失したり、行方不明になったりする

自分が起案した稟議書を、上司の机にメモと共に置いておいても気づかれず、埋もれてしまうケース。

組織に起因するケース

1.承認の経路がわからない

大きな案件や重要度が高い案件であればあるほど、承認までのステップが多段階であったり、どこの部署に回せば良いのか分からないケース。

2.過去の稟議を参考にしたいのに、見つからない

稟議書を起案する際、過去の稟議書を参考にして効率良く起案したいのに、過去の稟議書が探し出せないケース。

3.稟議への押印が必須

テレワーク環境下でも、書類の押印のためだけに出社する「ハンコ出社」で、スムーズに承認まで回らないケース。

稟議を早く通す3つのポイント

稟議が通らない・時間がかかる原因は上記でご紹介したようにいろいろありますが、多くの組織でどこかしら思い当たる節はあるのではないでしょうか。

ここからは、稟議を短時間で通すための3つのポイントをご紹介します。

 

ポイント1:稟議の内容を見直す

情報が不足して、承認が否決されたり差し戻されると時間がかかります。稟議の内容が原因で差し戻されないように、必要な情報を網羅して相手に気持ちよく承認していただきましょう。ただし、完璧な稟議を作成しようとするあまり書類作成に時間がかかっては意味がありません。経験者に直接教えてもらったり、過去の稟議を可能な範囲で参考にしてできる限り情報を集めましょう。またなるべく組織内で過去の稟議が共有できるようになるとよいですね。このような工夫が差し戻しを減らすことにつながります。

ポイント2:関係者への根回しを行う

稟議の内容によっては、組織の業績を大きく左右することもあります。責任重大な内容を紙で突然示されたら、いくら役割とはいえ上司が警戒してしまうのも無理はありません。事前に相談したりアドバイスをもらうことで稟議の質も高くなりますし、稟議が通るまでの時間も短くすることができます。また、事前に承認をいただけそうな時間を確認しておけば、承認までの時間ロスを減らすこともできます。さらに事前に伝えておくことで、承認の滞留や紛失の防止にも効果的でしょう。

ポイント3:稟議の仕組みを変える

稟議の仕組み自体を変えることは個人では難しいことですが、自分が困っているということは組織の誰かも困っているということです。稟議が通るまでの時間を短くすることは、組織にとっても個人にとっても良いことなのでぜひ全社的に取り組みたいですね。

稟議にかかる時間を短くする電子化

稟議の仕組みを変える方法として、有効な方法の一つが稟議書の電子化です。稟議書を電子化すると、稟議の内容に関する課題と、回覧に関する課題の両方を解決することができます。

稟議の電子化とは

稟議の電子化といっても、「紙で回していた書類をPDFにしてメールで回す」だと時間短縮効果は大きくありません。稟議を電子化すること自体ではなく、より短時間で稟議を通すことが達成できなければ意味はないため、もう1段階進んだ電子化を進めましょう。そのためには稟議書のシステムを導入することが有効です。
稟議に関連するシステムとしては、電子印鑑を押せるシステム、文書保管システムなど色々ありますが、より有効なのがワークフローシステムです。

ワークフローシステムの主な特徴は以下の通りです。

どこまで承認が進んでいるか、進捗がわかる
誰がいつ承認したかがわかる
リスト形式にするなど、入力内容をあらかじめ設定できる
関係者に対してメールやビジネスチャットに自動で通知できる
合議内容やコメントを記録に残すことができる
過去の申請内容を後からかんたんに検索することができる

最近はオンプレミス型よりもクラウド型のサービスが多く、初期費用を抑えて導入することが可能です。ワークフローシステムによっては上記の機能が不十分であったりカスタマイズが難しいものもあります。まずは必要な要件が何かを整理し、自分たちの組織に必要な機能をよく把握した上で、稟議の時間を短縮するために、ワークフローシステムをぜひ取り入れていただきたいと思います。

稟議の電子化で時間短縮に成功したお客様の事例

稟議書が紙で運用されていたために、回すのに時間がかかることや、テレワークの足かせになるという課題をお持ちだったお客様が、ワークフローシステムを導入され、稟議書や申請書類の電子化に取り組まれた事例をご紹介します。
単に紙を電子化するだけでなく、社内ルールの整備などに取り組むことで大きな成果を生み出されています。詳しくは以下をご覧ください。

株式会社フェリーさんふらわあ様

オフィス移転とフリーアドレス導入をきっかけに、ワークフロー導入を推進。従来の稟議書をデータ添付し回送することでシンプルな電子化を実現。導入以前より1/5の期間短縮に成功されました。…続きを読む

アイペット損害保険株式会社様

稟議決裁・各種申請ルールの統一を目的としたスマートなワークフロー実現が急務となる中、損害保険業としてガバナンス上で必要なワークフローと業務の効率化を実現されました。…続きを読む

株式会社サンゲツ様

稟議規定の見直しにより、単純な電子捺印システムではなく、多機能で課題解決が可能なクラウド型ワークフローを選択。文書管理の問題解決と同時に、申請業務の整理による大幅な業務効率化に成功し、年間1,600時間もの短縮が見込まれる成果を得ました。…続きを読む

まとめ

稟議を早く通すためにはさまざまな課題があります。面倒だと感じることもありますが、組織や経営のためには必要な業務ですので、なくすことは難しいでしょう。従って、稟議の作成や回覧の業務を省力化し、効率化することが重要になります。稟議に関する業務を効率化するツールとして、ワークフローシステムがあります。