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脱ハンコが進まない理由。
改めて考えるハンコの意味と必要性とは

  • 押印
  • 稟議書
  • 電子化

日々の業務でハンコ(印鑑)を押す機会は多くあるでしょう。テレワークが一般化して企業活動の多くが電子化されても、「ハンコ出社」ということばが生まれるほど、日本のビジネス文化にとってハンコは重要なものです。一方で、ハンコはその意味や効率化などの観点から無駄である、という「脱ハンコ派」も増えています。
ところが最近では、脱ハンコ派の懸念を払拭するような、デジタルでハンコを表現する電子印(デジタルハンコ)や電子印鑑システムも広く利用されるようになってきました。

このように、ハンコは形を変えても完全になくなることはなさそうです。今回は、そのハンコの必要性について改めて考えてみたいと思います。

脱ハンコが進まない理由。
 目次

脱ハンコできない理由1:コラボレーションの中での意思の表現方法としての「ハンコ」

企業活動では、多くの業務が複数の部署や担当者にまたがって遂行されます。プロジェクトの稟議や経費精算の申請など、多くのケースで起案する人と承認する人がその「意思」を表します。その「意思」の表現方法は様々で、電話や口頭での会話の場合もあれば、メールやチャットでのやり取りの場合もあります。ただ、通常は、適切に形が残るものとして、次のような形をとることが多いと思います。紙であれば、ポータルサイトから規定の枠が付いているExcelファイルをダウンロードしてきて、必要事項を記入後、印刷してハンコを押す。あるいは、PDFをダウンロードしてきて手書きで記入後、署名してハンコを押す。電子化されていれば、システムにログインして、必要事項を記入後に確認画面で内容をチェックし、決定ボタンを押す。これらは、手段は異なるものの、起案者や担当者の意思を残す表現の形と言えるでしょう。

脱ハンコできない理由2:本人の証という意味での「ハンコ」

用紙に記入する場合には、多くの場合、署名したり、ハンコを押すことで、誰が内容を記載したのかを示す証とします。個人に紐付いた「印」を押すことで、「なりすまし」ではなく、記入者が正しくその人であることを表しています。

では、Google Workspace や、Microsoft 365 のようなクラウドサービスをはじめとしたWebシステムでは、どうでしょうか。こちらでは、ログインを前提とすることで、「なりすまし」がない世界を実現しています。Webシステムにおいては、利用者が署名・押印する代わりに、システムがログインしている人を記録し証明することで、その都度ハンコを押さなくても良い状況をつくることができます。

脱ハンコできない理由3:組織の意思が介在する稟議のなかでの「ハンコ」

ただ、ハンコの意味は本人であることの証明だけでしょうか。起案者と決裁者がそれぞれ一人であれば、二人の意思だけが記録されるというだけですが、稟議の内容によっては、多くの担当者、部署の意思を確認する必要があります。
稟議が起票されてから決裁されるまでに確認する担当者や部署が多い場合、後に見る担当者は、自分のところに回ってくる前にどのような部署がOKの意思を示したか、ということが大事な場合もあります。起案された内容だけでなく、自分のところに至る過程(回覧や承認のルート)も検討内容の一つと考えられます。そのような長い経路が必要な稟議では、「ハンコ」が大きな意味をもつ場合があります。例えば、多数の承認が必要な稟議の場合、帳票の下部など見やすい場所に、以下のようなハンコを押す欄が設けられています。

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後続の承認者は、稟議の内容と共に、どのような経路で承認されてきたのか、誰が承認したのかをハンコの列を一瞥するだけで確認することができます。並んだハンコは、経路と承認の進捗のサマリーとしての機能を持っているということになります。

電子化が進んでも失われないハンコの必要性

国を挙げてDXを推進している現在では、業務や帳票の多くが電子化され、「紙」による帳票は減りつつあります。データとして保存された情報は検索が容易で、適切に管理すれば劣化することもありません。特に Google Workspace や Microsoft 365 のようなクラウド環境に置くことで、全社的な管理はより容易になります。ただし、「紙」という実体がなくとも「帳票」として一枚にまとめた方が使い勝手が良い場合があります。

前述した通り、目で見た場合に経路が一目瞭然であることなど、多くの利点があります。特に長い歴史の中で一枚の帳票を使って回ってきたような業務においては、電子化による利点よりも、これまでの業務が変わることや見た目が変わることがマイナスになってしまう場合があります。便利だからと言って、全ての書類業務を違う形式で電子化してしまうことは、かえって現場の生産性に影響してしまうかもしれません。

現場への影響をできるだけ少なくするハンコ

Gluegent Flow(グルージェントフロー)は、Google Workspace や Microsoft 365 と連携して動作するワークフローです。Googleドキュメントやスプレッドシート、WordやExcelで作成した既存の帳票をベースに、紙の帳票の見ためのままにワークフローを作成し、クラウド環境で回覧(申請・承認・決裁)することが可能です。もちろん、「ハンコ」の設定も可能です。

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利用者は Google Workspace や Microsoft 365 のアカウントでログインするため、なりすまされることなくハンコが本人のものであると証明できます。
また印影には本人のみの氏名が表示され、数値や日付等の入力値を反映させることも可能です。「承認」や「決裁」などの処理内容も含めることができますので、回覧のサマリーとして十分な情報を一覧で見ることができます。 既存の帳票を使った処理をそのままクラウド上で実現したいというご要望がございましたら、Gluegent Flowで実現可能です。ぜひお問い合わせください。

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